学位授与式と部屋の大掃除

息子Aが、この度無事に大学院を修了することができました。
浪人も留年もすることなく、最短で学生生活を無事に終了できたことは、親孝行だったと思います。
二年前、学部を卒業する際には、夫と参加した卒業式でしたが、今回は夫は海外赴任中のため、ナンチャッテ一人で参加することになりました。
ナンチャッテは卒業式の前日夜(午前中は仕事してました)に東京に着き、息子Aと大丸デパートの特選品コーナーで待ち合わせをして、そののち夕飯を一緒に食べてから息子が四年間過ごした下宿に行きました。
ちなみに駅周辺での待ち合わせの場所として、お勧めなのはデパートの特選品コーナーですよ。
本屋というのもいいですが、人も多いし、本棚で視界が遮られてなかなか簡単には探せなかったりしませんか?その点、特選品コーナーは概ね客が少なくて落ち着いた雰囲気だし、コーナーにはふかふかのソファーとか置いてあったりして待ち時間が苦になりません。
話せば長くなりますが、特選品コーナー通のナンチャッテが目を肥やしていたおかげで、ヘレンド窯のボンボンケース(10万円相当)をバザーで300円で手に入れたという武勇伝にもつながるのです。


さて二年前の卒業式の時に、注文しそこねた卒業式用のガウンと角帽のレンタルも前もって下宿に届けられており、準備万端。
翌日は、大学の学位授与式に参加して、夕方から下宿の片づけをはじめ、もしも片付けのめどが立ったら、翌々日は近代美術館で展示中のミュシャ展がみられたらいいなあ、という心づもりです。


息子Aの下宿の惨状については、以前夫が仕事の帰りに東京の下宿に立ち寄った時の様子が報告されていたので、覚悟はできておりました。おそらく、男の子が一人で生活している部屋というのは、こんなもんだろうなあという部屋でした。
冷蔵庫の冷凍室には、厚さ7〜8センチの分厚い氷がびっしりと上下左右の壁を覆っておりました。息子が言うには、旅行中に、うっかり冷凍庫のドアを開けていたらしく、帰ってきたらこうなっていた・・・とのことでした。冷蔵庫は廃棄予定なんだけど、霜は取り除いて捨てるようにと言われていて、どうしたらこの氷河のような霜をどう始末すべきかわからずにほとほと困っていたのでした。
そこは、家事歴30年のキャリアを持つナンチャッテが、まるで魔法のように霜を撤去し、心の底から息子に尊敬されました。
トイレや風呂の排水溝や台所の水周り、レンジ周りも家事のプロがあっという間にピカピカにしてしまい、息子Aからは大絶賛を受けました。


部屋の片づけに関しては、ナンチャッテの功績が続きますが、話を学位授与式当日に戻しますと・・・
当日の朝、近所のコーヒーショップで軽い食事をとると、下宿で身づくろいしてタクシーで大学へと向かいました。
ちなみに、ナンチャッテは、オレンジ色のサックワンピースにふんわり春らしい花柄の大判スカーフ、それに黒のシンプルなロングコート。靴とバッグは落ち着いたベージュのフェラガモにしました。父兄の方々は、スーツやワンピースとコートという方が多かったですが、和服姿のお母様もけっこうおられました。やっぱりこんな場には和服が似合います。
ガウンの着用率は30−40%ほどでした。学部の卒業式の時よりも多い気がします。
学部の時と同様に、生徒は安田講堂で、父兄はパブリックビューの会場で式に参加します。


学長の五神氏は、15分ほどの告辞を一度も下を向いたり、止まったり、噛んだりすることなく、ちょうど言葉が心に染み込むくらいの速さで、話をされておられました。大変素晴らしい告辞でした。
卒業生の学生さんたちには、ブランドネームに満足するんじゃなくて、その経験を活かして世の中のためになる人になってほしいなぁと、つくづく感じ入って聞いて来ました。