「どっぴゃーん」

二〜三日前のことです。
実妹と二人で外出して、帰りに「うちへ寄ってよ」ということで、昼ごはんでも一緒に食べましょうということになりました。
暖かな陽射しで、春というよりは初夏、いやいや夏の日差しだったかも。


おしゃべりしながら、いざ門扉を開けようとしたとき、私の目は何かの違和感を捕らえました。
「ん?」
ちょっと変かも、でも何が変なのかを詳しく解析する間もなく、
「どっぴゃーん」
との雄叫びが口から自然に飛び出してきました。
いや、本当。
人間って、脳であれこれ考えて答えを出すよりも早く、「どっぴゃーん」なものを判別する力があるのです。



わたしの本能が判別して「どっぴゃーん」と言わしめたものは一体なんだったと思います?



蛇さんでした。



我が家の門扉は黒の金属で、扉の上には何の装飾もついていません。つまりちょうど蛇さんが日光浴をするのに相応しい長さと幅とを兼ね備えていたのでしょう。しかも黒い金属は他のところよりも熱を集めて暖かかったのもあるでしょう。



妹は大笑い。
そりゃいいでしょうよ。
「ここに蛇がいます」
とわかっている人と、全然予期していなかった人とでは反応が違って当たり前。
木っ端でつついてもびくとも動きません。針金でつついたら
「けっ、昼寝の邪魔しやがってよお」
っていう捨て台詞が聞こえてきそうなデカイ態度でするするといずこかへと去っていきました。



あの態度からして、それほど遠くへ逃げたとも思えないので、また何処かでひょっこり出会ってしまいそうな予感がして、こわい・・・・・