昭和レトロ

母の店の陶器屋さんは、陶器というより「ちゃわんやさん」と言ったほうが誤解が少ないと思うんだけど、とにかく商品が多い。ここ数回、ブログでも紹介しているとおりです。
商品を見ていると、百年の間に、社会のありようが大きく変わったことを実感します。
昔・・・だいたい30年位前までは・・・は、このあたりの地方都市だと、まだ各自の自宅で法事や結納をしていたようです。そこで、お湯のみ、徳利や盃、御飯茶碗や取り皿、またさらには、お寿司や煮物をよそう大皿が必要でした。十数個〜五十個というような数が揃う必要がありましたから、高価な柄ゆきのものではなくて、竹林・唐人柄・萩・トクサ柄といった、癖がなくて、お値段的にも廉価なものが主流でした。


まだ大型ホームセンターが出来る前までは、植木鉢や梅干をつける瓶を売っているのも、うちみたいな陶器屋さんでした。
盆栽も随分流行ったんだろうな〜というのも想像できます。今時、見たこともないような厚さ一センチくらいの薄い植木鉢を、盆栽鉢というのだそうです。誰が使うんだろう?


決定的に時代の流れからはみ出したものが、金彩の入った洋食器です。食器洗い機や電子レンジの普及で、金彩の入った食器は世の中から姿を消してしまいましたよね。もちろん、高級なコーヒーカップとか、世界中の誰でも知っているような有名な洋食器の中には今でもふんだんに金を使っているところもありますが、ここは庶民の食器のハナシです。


ナンチャッテは、アメリカ生活でコレールの食器の便利さを実感して以来、日常生活で一番出番の多いのがコレールの食器になりました。茶碗屋の孫ですらこれですから、一般的には、もっと食器への感心は薄いんだろうなぁ。


世の中の「便利さ一辺倒」の流れに対抗して、昭和レトロを楽しみたいという方には、本当にうってつけのお店です。
近々、妹が、ブログを立ち上げてくれそうなので、また、その節には大々的に紹介させてくださいませ!