狩衣

今日、とてつもない衣装を着た方を目撃しました。緊急報告です。

連休最終日の今日も、ナンチヤッテ屋の掃除と店番と模様替えをしておりました。
実は、この時期は、七五三のシーズン。最寄の神社は七五三のお祝いをする若い家族でにぎわっています。でも、今時は、家から神社の駐車場までパパの運転する車でドアトゥードアですから、おめかしした可愛いお子ちゃまたちの姿を見ることもなくなりました。ちょっと寂しいです。


昼過ぎのことです。
彼方に、なにやら見慣れぬ衣装の大人と子どもの二人連れが歩いてくるのが見えました。

「とうとう七五三の衣装も、父と息子のお揃いの和装っていうパターンが出来たんだね」
「でも、ちょっと目立ちすぎないか?」
「あれれ?被っているのは烏帽子じゃない?」
「これって、直垂とか狩衣とかいう、源氏物語絵巻でみたことのある衣装じゃない」


父と息子と思ってたのは、実は祖父と孫という関係でした。
私たちが、
「随分珍しい衣装ですね。直垂というやつですか?」
と聞いたら、
「いえ、狩衣です」
との返事。
「一枚写真を撮らせていただいてもいいですか?」
と聞くと、
「まあ、特別に許可してあげましょう」
といわれましたから、さっそく一枚撮らせてもらいました。残念ながらお二人の顔が映っているので、ここではアップできません。


実は、こういっちゃあナンですが、遠景から見たときは、あまりに突飛な色合い(大人が紫と黒。子どもが白と青っぽい色合いの狩衣で烏帽子は金色)だったので、大道芸人の二人組みかとも思ったのですが、近くに寄って見た容貌は、上品な顔立ちで、1000年前の貴族はかくもありなんという風情でした。


一体、あの二人連れは、どんな、やんごとない身分の方だったのか?二人が歩いていった先は、明らかに神社の参道でした。