いい子もいます

ついつい調子に乗って、エグい話を続けてきましたから、
「うわぁ、こわっっっ。うちの子を公立中学に入れるのやめさせるわぁっっつ。」と思っておられる方がいらっしゃるかもしれません。



確かに、今まで書いてきた話に、一切ウソイツワリはありません。
ただ、公立中学の場合、学区のカラーが顕著になります。田園の中の学区、新興の住宅地の中の学区、巨大マンションを抱える学区、三世代同居が多いとか、母子家庭が多いとか、お金持ちの子供が多いとか、そういう環境が関係してきます。



一クラスの中の半数が、歯の矯正ブリッジを嵌めている中学校では、さすがに給食のデザートが箱ごと強奪されることはありませんでした。
給食のデザートが強奪される中学は、一般的な中学とはいえません。でもそういう中学も実際にあるということです。



一方で、デザート強奪事件が起きる中学にも、ダイヤモンドの輝きを持つ生徒はいるのです。
昨日のブログに登場した「ジャイアン」や「ジャイアン子」みたいな子がいるクラスにも、真珠の精のような女子生徒がいて、彼女を見るたびに「掃き溜めに鶴とはこのことだ〜」と密かに思ったりしています。
育ちのよさげな立居振舞で、控えめだがしっかりした考えをもち、頭のよさを感じさせる話し振り、筆跡も感動的に美しく、我家の息子の嫁にしたいと思えるような生徒です。
もちろん外見もパーフェクト。バランスの取れた体格で、顔立ちは日本的で涼しげ、髪の毛はストレートでサラッサラです。
こういう生徒がクラスに数人いてくれるお蔭で、教師としても、
「彼らが、この環境の中で三年間無事に過ごせて、いい思い出が残せるような中学校にしたい」と、思えるんだろうなぁ。
少なくとも、私は、「彼らのために、ためになって身に付く授業をしたいものだ」と思っています。



逆説的なことをいえば、掃き溜めにいるから鶴が目立つのであって、みんながダイヤモンドやエメラルドだったら、真珠くらいでは目立たないのかも。そう考えれば、どこの学区でも輝く子は輝くってことかぁ。