牛乳から見えるもの

学校給食には二百mlの牛乳がついてきます。栄養豊富で手軽でしかもお安い。発育盛りの子供に必要なカルシウムもタップリですから、ぜひとも飲んで欲しいものです。



実は、給食では、これがたくさん残ってしまうのです。冬場は特に寒いので冷たい牛乳なんか飲みたくないですよね。かといって、生ぬるいような牛乳だったらもっと飲みたくないし。
子供に聞いてみてください。
「夏は生暖かくて、冬は冷たい飲み物なあに」。
答えは給食の牛乳です。



冬だと、クラス平均で六本から七本の牛乳が余っています。ひょっとしたら、そのうちの一本はあなたの子供のものかもしれませんよ。
「今日の牛乳はちゃんと飲めた?」と聞いてみてはいかがでしょうか?
親は、ついつい世間の常識や自分の物差しで考えがちなので、まさか我が子が毎回、給食の牛乳を残しているとは思わないじゃないですか。だから、そんなことは話題にすらのぼらないでしょ?



子供が学校から帰ってきたときに、
「学校、どうだった?」
と聞くお母さんは多いと思いますが、たまには別の質問の仕方をすると、意外な学校生活の一面が知れるかもしれませんね。



もうお忘れかもしれませんが、基本的には、中学校の設備に関してはン十年前の環境から大幅に改善されたという点はありません。今も昔も給食の夏の牛乳はぬるいし、冬の学校は極寒で、夏は三十五度の中クーラーも無い状態です。ひょっとしたら、日本中で一番過酷な環境に身を置いているのは、中学生かもしれないね。



それなのに、クーラーの設定気温が十八度、キンキンに冷えた部屋でスーツ着てネクタイしたオヤジが、「中学生にクーラーなんて必要無い」と言っていますよ。そういうオヤジに夏に温かくて冬に冷たい牛乳を飲ませてやりたいでしょ。



先ずは、子供から学校の現状を聞き出して下さい。そして、これじゃああんまりだ、と思ったら、声をあげてください。