ゴミ拾い

私の勤め先の中学は、職員は出勤時と退出時に、校長先生と教頭先生に、きっちり対面して挨拶するという伝統があります。
普通、四役の先生は、上座に四人並んで座っておられます。校長先生はすぐ後ろの校長室で執務されることも多いので、姿を見かけないことも多いです。



今の中学に来て初めて気がつきましたが、校長先生とは、出張と来客相手の多い仕事で、不在だったり来客中のことがとっても多いのです。前の勤務先では、校長先生に面と向かって挨拶する習慣が無かったので、四役の先生とは、遥か彼方から仰ぎ見る、遠い存在でしかありませんでした。
私のように非常勤で、出勤時刻がばらばらだと、挨拶をするために、まずは校長先生の姿を探すことから始まります。
教頭先生に挨拶すると、たいてい「今日は校長先生は出張ですよ」と教えて下さいますが、
「おや、さっきまで、そこに居られたんだけど」ということも、ままあります。



そんな時、校長先生は、きっと野良姿で箒片手に校庭の掃除か、タケミをもって草むしりか、トングをもってゴミ拾いをしておられます。本当に頭が下がります。



この学校のすごいところは、授業の空き時間に、先生方が職員室に座らないということです。始めはガランとした職員室に驚いてしまいました。
授業の無い先生方は、皆、ビニール袋とトングを持って、巡回を兼ねて、廊下や空き教室のゴミ拾いをして過ごします。また、防犯の意味から、体育や音楽などで教室を空けるときには、常に施錠していますから、施錠・開錠も大切な仕事になります。



とにかく、職員がよく身体を動かす学校なので、驚きです。巡回の時間と施錠係の先生はしっかりローテーションが組んであります。だから、お互いの空き時間を使って、教科の相談をするつもりでも、その先生が巡回の時間の当番だったりすると、なかなか相談もできません。



とにかく、校長先生がゴム長をはいて、麦藁帽子をかぶっている姿には、頭がさがります。こういう姿を見せられては、他の先生方もゴミ拾いに精を出さざるを得ませんね。
生徒の心にもきっと、校長先生の野良姿が心に残ることだと思います。
今日は、ちょっとうちの中学の自慢話でした。