中津川女子中学生殺害事件

昨日、またまたショッキングな事件が起こりましたよね。



中学生と高校生が「交際をめぐるトラブル」って、勘弁してよ〜って思った方は多かったのではないでしょうか?
「交際をめぐるトラブル」だけ聞いていたら、当該者は四十歳の既婚者同士の不倫関係が原因か?というコピーが続いてもおかしくないような内容ですものねぇ。



去年、授業で短歌を扱ったとき、 「青春みそひともじ」という作品をつくってもらいました。
この、「青春みそひともじ」の試みは、実は大盛況で、普段はずーーーっと冬眠しているような生徒も、なんとなく短歌っぽい作品を出してきたほどです。なぜか字余りばっかりでしたが。
生徒から、ぜひ全員の作品を読んでみたいという要望がでましたので、匿名で全員の短歌をのせたプリントを作り、授業中に読みあいました。
すごい盛り上がり方でした。



ほとんどの作品は「声を掛けたいけれど、きっかけがつくれない」とか「あいつが見つめている視線の先には、俺も見ている女の子がいるんだ」みたいなかわいらしい作品でしたが、中には「交際をめぐるトラブル」を連作で作ってくる女子生徒もいて、たじろいでしまった覚えがあります。



中学二年生にもなると、教室の片隅で、特別なオーラを出しつつ、うつ向き気味に、前髪をたらして、ちょっとウルウル目の女子二人がヒソヒソ話をしていたら、話の内容は九分九厘「男の話」です。
成績が下降して、同時に異性関係が思考の大半を占めるようになると、とたんに前髪が長く簾状になってきます。その状態でうつむくと、簾上の前髪がちょうどカーテンのように下りてきて、教室に居ながらにいて別世界に入り込むことが出来るのです。
「近頃前髪を伸ばしていて、しかも成績が振るわなくなったわ」という中学二年生の娘さんがいたら、ひょっとすると、複雑な人間関係の中に身をおいているのかも。



先ほど出しました 「交際をめぐるトラブル」連作短歌は、自分は一つ年上の中学三年生の男子と付き合いがあったものの、今では疎遠になってしまって、新しい彼女が出来たようだが、許せない、というありきたりの筋だったよう気がします。男の心変わりを糾弾するのではなく、相手の女の子を激しく非難していて、まさしく「おんな」の思考回路だったのが印象に残っています。



さて、なにが言いたかったのかといいますと、中学二年にもなると、女の子は、もう「おんな」としての思考回路で、「おんな」としての情念で生きているということを、世のお母さん方は理解していないといけないんじゃないかな、ということです。



恐らく、家庭で見せる「子供としての顔」しか知らないお母さんが多いんじゃないのかなぁ。放課時間や放課後の様子を隠しカメラで取ったビデオで、ヒソヒソ真剣な表情で簾ヘアー同士で話している娘の表情をみたら、びっくりするかも。あれは確かに「女の顔」ですから。
ちょっとお母さんが気を付けて、何か一言注意してあげれば、そういう不安定な気持ちで、危なっかしい人間関係にいる娘が、トラブルに巻き込まれるのを防げるんじゃないかな、と思ったりしました。えっ?逆効果? ウーーン、それもあるかも。