十年後に起こるかもしれないこと

昨日は「弁当持ちの日」でした。
当県では公立の小・中学校では基本的に毎日給食があります。
給食センターの都合なのか学校側の都合なのかはわかりませんが、一学期間に二〜三回弁当持ちの日というのがあります。
弁当を作る羽目になる母親が、この日をどう思うかは別問題として、弁当持ちの日というだけで、一種の非日常的なイベントとなるらしく、生徒たちは結構盛り上がっています。



はっきりいって、弁当作りは、ただでさえ慌ただしい朝に、余分な仕事になるわけですから、面倒といえば面倒。
前の日の残り物を入れてやろうと考えるので、前の日の夕食のメニューから考えておかないと大変なことになります。カレーライスとかスパゲティーとか刺身ってわけにはいかないですから。

最悪、最寄のコンビニで480円のコンビニ弁当でも買ってきて、子供の弁当箱に詰めなおすという裏技もありますね。
万が一寝過ごしたら、昼の弁当の時間までに学校に届けるというのもありかもしれません。実際、弁当持ちの日には、職員室に弁当を届けに来るお母さんが二〜三人はいらっしゃいます。子供が家に置き忘れてきて、大急ぎで電話をかけるという風景もよくある風景です。



ところが、子供に弁当を作ってやれない家庭って、思いの外多いのです。
十分早起きして、コンビニ弁当買ってきて、弁当箱に詰めなおすという手間さえ惜しむのかなぁ。この際、弁当箱に移し替えなくたって、折のままでもいいじゃん。マクドナルドだってパン屋のサンドイッチだっていいと思うんだけど・・・・
そういう子供たちは、手ぶらで来ることになります。結果として、担任の先生がコンビニでおにぎりを買ってくることになります。お金に関しては後で徴収するようですが、それにしたって、ちょっとおかしいとは思わない?
小学校では、弁当持ちの日になると、いきなり欠席率がアップしてしまうそうです。親が休ませちゃうようです。



こんな状況になったら、うちの子だったら、目の縁を真っ赤にして鼻水を啜り上げすすり上げ、仮病でも使って早引けしてくることでしょう。でも、こういう家庭の子供は大抵ポーカーフェイスなんです。平気そうな顔をしてはいますが、先生に、こっそり職員室でおにぎりを渡される生徒が、内心穏やかじゃないことなんか、誰だって想像できることだよね。教科書や体操服を忘れてくるのはと違う次元だもんね。



かくして、ある意味、残酷でもある「弁当持ち」の一日は、何事も無く終わりました。
何事も無くというのは、「昨日は」何も起こらなかったという意味です。ポーカーフェイスでファミマのおにぎりを職員室で受け取っていた彼らを見ていると、弁当を作る十分の手間を惜しんだツケが、十年後に彼らの母親に返ったとしても全然不思議じゃない。