テスト返却

毎度の事ながら、テスト返却は、一種異常な雰囲気に包まれます。
校内順位の上位狙いのものは、
「学年最高は何点?」と聞きます。
中間層のものは、やはり平均点を気にします。
下位のものは、自分の同輩に、何点だったか聞いて、一年生時に習った故事成語の「五十歩百歩」を地で演じてくれています。
やっぱり点数は気になるんだね。



テストを返却し終わって、模範解答を配り、配点を確認して合計点の間違いをチェックさせたあたりで、生徒間に、ある歴然とした差が現れます。
先生の解説を聞く者と、もう中間テストは完全に過去の出来事として闇に葬ってしまう者の差です。

自分の答えがなぜ正解でなかったのか、知りたくないのかなあ。



一桁の点数を取るような生徒は、最初から投げているのでこちらも気が楽で、 「評定1」要員、決定!という感じで割り切れますが、割り切れないのが30点前後の得点の生徒。
授業中に居眠りしていたり、クラスメイトの迷惑になるような行為をするのなら、何が何でも「1評定」要員としての役目を全うしていただきますが、一応はまじめに授業を聞いて、曲がりなりにも板書したことくらいは書き写している生徒に非情なことはできません。



少なくとも、新学年になって、心機一転巻きなおしを図ろうとしている生徒数人を、これからどうやってフォローしていこうか、思案中です。点数が出る前までは、
「しっかりメモが取れているね」
「あの発言がよかった」など、机間巡視をしながら一言声を掛けておりましたが、こうやって自分の得点がクラス平均の半分以下!という非情な事実が白日の下にさらされると
「どうせ今更勉強したって無駄なんだ」とか
「先生は白々しいことばっかり言ってるしぃ」いう気持ちになっちゃうよね。



クラス担任に得点を見せたところ、「へぇ、この子は意外にがんばってているんだ」と驚いておられました。とすると、去年よりは上がっているのかなぁ。
廊下ですれ違うと、必ず○○先生!と声を掛けてくれるT君は、自分の点数を見て
「あれ、おっかしいなぁ。今回はまじめに復習したんだけど」といってました。
そんな様子を見て、切ない気持ちになってしまいました。