テスト結果から

成績をつけるのが好きという先生は恐らくいないと思います。
期末テストが終わったあとの職員室は、一種異様な雰囲気に包まれます、一斉に赤ペンを走らせるシュルシュルシュルシュル・・・・・という音が読経のように続きます。時折、同じ教科の先生同士で、
「この子の答えは、条件に当てはまっていないよねぇ」などと確認しあう話し声が低くささやかれて、シュルシュルの音に混じって、微妙な変化を作っています。




国語は、前回にも書いたとおり、グレーゾーンの出やすい解答が多くて、採点には時間がかかる教科なのです。今回は、部分点なしという方向で採点したので、それでも前回よりは楽になりました。




採点で一番楽な分野が、漢字文法の分野と選択肢で答えを選ぶ問題です。全か無かなので。今回は文法分野から15点出題されていて、15点満点が一人も出なかった分野です。



ほとんどの生徒がひっかかった問題は、次の問題です。

「次の文章から、名詞を全て抜き出せ」
・その子は、学校から走って帰った。

まず、文節に区切る段階で、
・その 子は 学校から 走って 帰った
と出来ていないと、正解はでません。

そして次なるひっかけは、「その」は代名詞ではないと気づくこと。「その」は連体詞ですが、代名詞の「それ」と混同していると、誤って「その」を抜き出してしまうのです。
だから、答えは、「子 学校」の二つです。
授業では、名詞は主語になれる。つまり「〜は」や「〜が」にしても意味が通じるものが名詞なのです、と説明したんだけど・・・・
「それは・・・」は文章として成立しますが、「そのは・・・・」とはいえませせんよね。



また、意外と間違えやすいのは、代名詞と普通名詞の判別です。
例えば、
「 彼 私 お前 父 」 で名詞の種類を答えなさいという問題を出すと、八割の生徒が、すべて代名詞だと答えます。
父は、代名詞ではなくて、普通名詞になります。
授業では、英語の代名詞にあたる、I you she he が日本語でも代名詞で、ただ、日本語の場合、Iの訳し方が「わたし わし おれ あっし われ・・・・」など多様なので気をつけるべし、と説明しました。
父は英語ではfather。fatherは代名詞じゃないよねっっと力説したんですけどねえ。



明日、テスト返却をしますが、解説を聞くのは、評定5狙いの人だけです。残りの半分は、点数の間違いが無いか、血眼になって探しています。残りの生徒は、過去のものとしてすべて頭のメモリー機能から消されてしまうようです。