読書感想文その① 本の選び方

読書感想文の書き方って、学校で教えてもらったことあります?
少なくとも、私は一度もありませんでした。息子A・Bともに学校で教えてもらったことは無いといっています。そのくせ、原稿用紙五枚は、けっこう厳しいものがありますよね。
自分が教師稼業に身を置いていて分かるのですが、国語の教師をしているからといって、昔、読書感想文を書くのが得意だったという人って今までに聞いたことがありません。
自慢気に聞こえるでしょうが、敢えて言わせていただきます。私は小・中・高校を通して、常に読書感想文の女王としてクラスの代表、時には学校代表として君臨してきました。妹の感想文も手がけてきて、かつて大きな賞を取らせたこともあります。



感想文で賞を取るには、あるコツがあるのです。もちろん、このコツをマスターすれば必ず賞が取れるというものではありませんが、少なくとも、このコツを抑えていなければ、恐らく最後まで読んでもらえずにB判定がつく恐れ大です。




まず今日は、本の選び方。これを間違えたら、まず絶望的。よい読書感想がかけるためには、いい本に出会わないことには始まりません。
いい本は、一年かけて探します。夏休みにあわてて指定図書を読んでも、賞に結びつくような感想文は書けません。少なくとも、一ヶ月か二ヶ月は間を置いて、感想文を書く前に、もう一度読めたらラッキー。だから、馬鹿みたいに長い話は初心者向けではありません。上下二巻とか三部作とか、大作は避けたほうがいいです。




私の本の選び方はすごく本能的です。本を読んでいると、マーカーペンで線を引いたように、あるフレーズが心に響いてくる作品に遭遇することがあります。そういう作品に出会ったら、もう半分以上感想文が仕上がったも同然です。
覚えている作品をいくつか上げてみますと、地底探検・アラスカ物語・少女ポリアンナビルマの竪琴・こころ・・・・など分野も作家も関係なく手当たり次第という感じです。
お気づきのように、私の選んだ「いい本」には夏休み直前に発表される課題図書が一冊も入っていません。たとえ夏休みの初めに読んだとしても、夏休みが終わる前の一ヶ月くらいでは、私の中で読書感想文の種が成長しきれないことが経験的に分かっていたからです。
でも、これは個人差があるでしょうから、なんともいえませんが。




今日は、ここまで。
読書感想文に向く「いい本」とは、たとえどんなにつまんないことでも、その本を読んで、心に響いてくる箇所が一箇所でもあること。もしそんな本に出会ったら、恐れずにその本を選ぶことです。親は、自分が自信がないからついつい課題図書で感想文を書かせようとしがちですが、子供の心に響く本は、百人いれば百冊違います。
できれば、半年くらい前に読んで心に響いたことが、まだ思い出せるくらいの本がいいのです。そして、夏休みにもう一回その本を読んでみてもいいと思える本であれば、間違いありません。
「もう、すでに一回読んでいて、ストーリーも分かっているから、わざわざ読み返したくないな〜」という程度の本では、A判定の作品は書けません。実際に、もう一回読むかどうかは関係ないのです。「もう一回読んでみたいな」と、思えるかどうかが鍵なのです。