読書感想文その② あらすじ

読書感想文を書くのに一番ぴったりした本を選んだところからスタートします。
本当なら、最近一年以内に一度読んだ本がいいのです。初めて感動的な本を読んだ後は、すごく感動するけれど、ドラマチックなシーンだけが記憶に残りがち。そういう状態で感想文を書こうとすると、どうしても自分の感動したところを人に紹介したくなるもんだから、ついついあらすじが多くなっちゃうんです。




あらすじが多くなっている人の書く感想文は、二つのパターンがあります。
一つは、読後すぐに感想文を書いてしまう人が陥りやすいパターンです。
自分がこの主人公の、こんな言動に感動したとか、主人公の置かれている環境の苛烈さに涙したとかいうことが、長々と続くあらすじの切れ目切れ目に挟みこまれています。主人公の行動や置かれた環境そのものに感動している状態なので、前後の説明がないと、文章として成り立たないのです。



もう一つは、箸にも棒にもかからない感想文を書く場合。ただひたすらにあらすじが書いてあって、なにがなんでも原稿用紙五枚を文字で埋め尽くすというタイプです。この場合、評価は「意欲・関心」にはAがつくかもしれませんが、肝心の「書く」はC。これは本人も納得して書いているからいいんだけど。



「あらすじを書かない」は、感想文でA判定とるための一番大切な条件です。
書評や本の紹介じゃないんだから、人にストーリーを知ってもらわなくったっていいわけ。
説明してもなかなか分かりにくいと思いますので、是非、一度、優秀作品を読んでみてください。インターネットの読書感想文で探せます。
昨年度の内閣総理大臣賞を受賞した中学生の作品は、さすがっっっとしか言いようがないスンバラシイ作品。
「あらすじ」の「あ」の字もないでしょ?



あらすじを書かずに、原稿用紙五枚をどうやって埋めるかは、また明日。