枕草子

中学の頃、国語の単元の中で、古典は点数は取りやすいけれど、授業はタルいものの定番でしたよね。テストの形式としては、原文と現代語訳がセットになって出題されているので、「この形式で、どうやって点数を落とす?」という疑問すら持っていました。



三十年たった今でも、高校入試の問題なんか見てみると、やっぱりあの形式で出題されていて、ちょっと驚いてしまいます。



確かに、中学校で習う古典は、竹取物語枕草子徒然草の一段・平家物語奥の細道だけです。古典と接する機会がなかなか無いのが現実です。




実は私、中学の頃、「現代語訳古典全集」というのにはまって、ほぼ制覇したことがあります。前にも触れましたが、私の卒業した中学は新設の学校だったので、図書室に納められている本は全て新品でした。若気の至りで、「記念に、自分の名前を図書貸し出しカードの一番上に記入してやろう」なんてつまらないことを考え付いて、図書室に入り浸っていました。しかし、同じようなことを考えるライバルもけっこういて、面白そうな本はことごとく誰かさんに借りられた後・・・・。そこで考えたのが、誰も読まないような古典シリーズを読むことでした。




ところが、これが意外に面白い!



今でも忘れられないのが、落窪物語」。

和製シンデレラとしてもっと宣伝すればいいのに・・・・と常々思っています。シンデレラは妖精が登場したりして夢があるといえばそうですが、所詮ディズニー路線。荻窪は違うよ〜!韓国ドラマも真っ青。純愛でありながら、いじめ役の継母とか、その娘とか、その婿とか、実の父親とか、みんな個性派揃いで、いい味出してます。




徒然草も、説教臭い話じゃなくて、笑える話もたくさんあるよね。私の笑いのツボに一番はまったのが鼎を頭から被ったお調子者が、抜けずに困っていると、最後には死ぬよりはましだろと力ずくで抜き取るやつ。この話はかなり残酷でありながらも、私の笑いのツボに直球ストライクという感じでスパッと入ってきて、抗えきれずに笑ってしまいます。




で、思ったんだけど、竹取とか枕とか奥の細道とか、そういう辛気臭いのじゃなくて、もっと面白いのを現代語訳でじゃんじゃん読ませて、古典の面白さを紹介してもいいんじゃないの?
春はあけぼの・・・・って面白い?これが面白いという中学生がいたら、是非どこがどのように面白いのか教えていただきたいです。(本心です)