Z君のテスト

怒涛のようなテスト採点が終わりました。
中間テストが終わると、中学校は学校祭の準備一色に染まります。



ところで、テスト採点をしていて、今回、すごい発見をしてしまいました。
いつも氏名しか書かないZ君が、今回初めて記号問題と記述問題に手を付けていました。
私は、彼を一年生のときも見ていましたから、これが正真正銘の「初めて」の解答だと断言できます。
だからといっていきなりすごい得点がとれるというわけではありませんが、少なくとも零点ではなかったことが嬉しい驚きでした。




思えば、一年生の時のZ君には、ほんとうに驚かされることばかりでした。
平気で授業中に席を立ち、前の黒板を黄色いチョークで一面の真黄色に塗りつくし、獣のような三白眼でじっと何かを見つめる視線に、思わずぞっとさせられました。
「オレは他人から優しくされた経験が無いんだ〜」というオーラを全身から発していて、父子家庭で父親からは言葉ではなく拳骨を掛けられて育ってきたと聞き、120%納得してしまいました。




一年生のときは、Z君に先生が近づくと本能的にアドレナリン値が上昇するのか、とってもアグレッシブな態度を見せましたが、最近では、平気で居眠りするくらいに平和な雰囲気です。中学では、大人は自分に危害を加えないということを一年かけて学習したのかな。




授業中でも、新出漢字の読みで、彼の読めそうなものを当てると、ひどく億劫そうな態度で「焦げる」(こげる)と読んだりします。次に、クラス委員をやっているような生徒に「じゃあこれは何て読むの?」とかなんかいって「焦る」を当てたりします。読めなかったりすると、「オレは読めたもんね」みたいな表情がZ君にチラッと見えたりして、私としては作戦成功!という感じです。




それにしても、Z君の今回のテストのがんばりは特筆すべき進歩です。この頑張りが続いてくれることを祈るばかりです。