百人一首

昔、冬休みの宿題に百人一首の暗記というのがありませんでしたか?
私はあの当時、暗記物に関しては、それほど苦を感じなかったので、まじめにひたすら覚えた記憶があります。残念なのは、覚えた記憶が残っているだけで、暗記した内容までは残っていないことです。



ン十年の時が流れて、今年は息子Aが百人一首を暗記するという宿題を与えられました。
古文で書かれた和歌なんて、今時の若い男の子にとっては、カタカナで書かれたフランス語と同じくらい分からないのでしょう。いちいち歌の意味を聞いてくるのですが・・・
改めて百人一首の内容を見てみると、相当に艶っぽいというか湿っぽいというか、気軽に中学生の男の子に解説できないような内容だったのですねぇ。



今朝、たまたま日曜朝のTV番組のお約束「サンデープロジェクト」に作家の渡辺淳一が出演しておられました。
この何百年かの間に、日本人が愛に対して間違った認識を持ってしまって困ったことだ、という見解を述べておられました。本来の愛のあり方は現在のフランスや源氏物語に代表されるかつての平安時代のような自由でおおらかなものであるべきだというお話でした。



たしかにあの時代のやんごとなき方々は、和歌を見る限りでは自由でおおらかな愛を謳歌しておられたようです。
で、息子Aは、「秋の田の〜」「春過ぎて〜」「足引きの〜」「むらさめの〜」「カササギの〜」に代表される健全中学生向きの和歌に絞って覚えているのでした。