りんごあめ その2

30数年が過ぎました。
息子Bに1000円持たせて、一人でお祭りの屋台をめぐらせるようになったのが3年前のことです。
息子Bは、ある年は輪投げ、ある年は千本引き、ある年は金魚すくいなどしてきましたが、毎年間違いなく買ってくるのがあの1本300円のリンゴアメなのです。




初めての年は、リンゴの周りの糖衣だけ嘗め尽くし、残ったものは色の悪い、見るからに不味そうなリンゴ本体だけ。一口食べて甘くないリンゴはゴミ箱へ直行となりました。

次の年はリンゴとアメを一緒に食べるとおいしいということに気づきました。前歯を立ててバリっとかじるのが正式な食べ方だと学習したようです。
それでも、半分以上は食べ残しとなりました。

実は、今年もまたリンゴアメを買ってきて、口の周りを真っ赤に染めつつリンゴアメにかじりついていました。リンゴアメはやっぱり完食されることなくゴミ箱へ行ってしまいましたが、来年もやはりリンゴアメを買ってくるような気がします。



本来なら、
「もういい加減に、リンゴアメは不味いものだと学習したら?」
と言いたいところなんですが、なにせ私の30年来の夢を息子Bが叶えているような気がして強く禁止することができません。
一年に一度しかない1000円を自由えるチャンスに、三年連続リンゴアメを買ってくるのですから、よっぽど食べたいのでしょう。



ちなみに息子Aの方は、一度もリンゴアメを買ったこともなければ、欲しそうなそぶりを見せたこともありません。