青春ネコ

我が家の周りにもネコを飼っておられる家庭が多くて、昼間、垣根の上に寝そべったり、車の陰で毛繕いをしている姿をみかけます。
住宅街なので、住民の車以外の車の往来もほとんど無く、犬はリードで縛られているから、ネコちゃんたちにとっては平和な地域だと思います。



私の実家でもネコを飼っていて、そのうちに尻尾が9本生えてきて、ギネスに載るんじゃないかと心配するほど長生きして、3年前に大往生しました。


だから、ネコの行動や仕草やネコが人間の言葉を理解することなど、愛猫家の人が経験したことのあるネコに関する事象はだいたい分かっているつもりです。
でも、実家のネコは、完全な室内猫で、自由に外を歩き回るという経験が無いネコでしたから、野良や半野良や自由に出入りする家猫たちの生活については全く知りませんでした。



そんな私が、この間、ネコの集会を目撃して新しい発見をしましたので、ご紹介します。



私の家の周りで飼われている猫は、割合自由に家の中と外を出入りしている子が多いようです。
中でも、仲良し三人グループみたいな猫は、我が家の前のアパートの駐車場がサロンになっているらしく、よく集まっています。白ネコとチャトラのネコと黒ぽいネコです。
チャトラも白もオス。黒はメスかも。
オスとはいえ、チャトラは去勢されていて、正真正銘のオス猫である白とは敵対関係ではない。それどころか、白はチャトラが好きなんじゃないか、とチャトラの飼い主の談。
玄関先で、チャトラが出てくるのをじっと待っていて、チャトラがでてくるや、二人でお散歩に出掛けるんだそうです。
黒は、若いメス(?)で、どうやら白とはあまり仲がよく無さそう。でもチャトラには気があるのか、チャトラの前にけっこう頻繁に姿を見せます。



あるとき、ものすごい勢いで、白が黒を追いかけてきて、車の下に追い詰め、あわや大喧嘩?という、その瞬間に、脱兎のごとく飛び出してきたのがチャトラでした。
チャトラは二匹が喧嘩をしようとしているその間に割ってはいり「まあまあ、君たち、大人気ないじゃないか。二人とも、もういい大人なんだから、喧嘩なんてつまんないことはやめて、少し落ち着いたらどうだい。黒、君は大体年下なんだから、年上の白を立ててごらんよ、儒教の精神でさぁ。白も、少し黒のことを大目に見てやってくれないか?」
という台詞がちょうど入るくらいの間の後、三匹で連れ立って仲良く何処かへと去っていきました。



チャトラは、あの二人の雲行きがよくないのを察知していて、いつも気にかけていたのです。そして、いよいよ、という時に仲裁にはいったのです。


何だか、今時珍しい青春映画の一こまを見たような、爽やかな気持ちになりました。