加齢臭

味や音や匂いって、言葉で表現しにくいものです。
中でも匂いは言葉にしづらい感覚ですよね。

加齢臭という言葉がメディアに流れるようになって久しくなりました。

日ごろは、中学生相手の商売柄から、汗と皮脂と土と埃とチーズのような匂いと、制汗剤の匂いが混じった匂いの中で生活しています。
まあ、これはこれで蒸し暑い梅雨時なんかは特に辛いものがあります。



この間、45歳から50歳くらいのオジサン三人を私の車に乗せてあげる機会がありました。
季節的には秋ごろでした。
オジサン三人が車に乗り込んでくると同時に、加齢臭も乗り込んできました。季節は秋だというのに、指が自然にパワーウインドーのボタンを押しそうになるほどのかなりの加齢臭。それを理性が必死に押さえて、無事、何事もなかったかのように、彼らを送り届けたのでした。
もちろん、岐路では、全ての窓を全開で運転していました。


それまで、幸運にも、加齢臭という言葉と、匂いが結びつかない世界に生きていたので、この一件以来、メディアで「加齢臭」という言葉が流れるたびに、あの三人のオジサンのことが頭に浮かんでくるようになりました。
やっぱり中学生の方が全然マシです。


自分にも経験がありますが、匂いは、慣れてしまうと自分では気づけないっていうところが怖いです。
加齢臭に気をつけないと、若い人から嫌われるぞー・・・・・自戒をこめて。