鉛筆

ある時、自分の鉛筆の芯が折れてしまって隣に座っている友達から鉛筆を借りたことがありました。
その時の鉛筆は、これ以上みすぼらしい鉛筆を見たことがない、といっても嘘じゃないような、およそ年頃の女の子の持ち物とは思えないチビて丸々になった鉛筆だったのです。
その子の言った一言は忘れられません。
「鉛筆というものは、先を尖らせて使うものではなく、芯をまるくして使うものなんや



芯は、一ミリか二ミリしか出ておらずしかもまるまるの鈍らもの。
長さは10cmあるかないか。これだと、譜面台から落としても芯が折れることはありません。しかも、トキトキの鉛筆のように、消しゴムで消した跡に、筆圧の跡が残ることも無く、消しやすく書きやすいなど、悪いことは一つもなかったのです(唯一の減点は、その姿でしょうか・・・)。

以来、私は鉛筆の芯マルマル派となったのです。



鉛筆というのは、学校を卒業と同時に縁が薄れておりました。
社会人になるとワープロ〜パソコンへと筆記の形態も変わったし、第一、手に握って使う文具にしてもサインペンやボールペンを使うようになったからです。
続く