夏の着物

数日前にたまたま県庁所在地である□△市を訪れる途中、やけに浴衣姿の若いカップルが多いと思ったら、花火大会が各地で開催されるという日だったのです。
近頃は、女の子ばかりが、男の子も浴衣を着て花火見物するのがトレンドのようですね。



浴衣も、10年前に皆がこぞって買った奇抜な色・模様のものはすっかり陰を潜め、どちらかというと昔ながらの藍・白のものが主流になっているように見受けました。
半幅帯の上にオーガンジーの帯を巻いて華やかにしたり、半襟風にレースをつけたり、それぞれに工夫が凝らしてあってかわいかったです。



帯や小物に工夫があるのに、着物の着方が下手な子が何人もいて残念。
裾が開いている「行灯」になっている人が随分いました。おはしょりが膨らんでいる人や、背中が皺だらけの人も。ほんのちよっとのコツでもっと素敵な着物姿になるのになぁ、とオバサン心を丸出しでジロジロ見ておりました。



夏の着物姿といったら、浴衣と並んで涼しげなのがの着物ですよね。
私は夏に着物を着るような生活をしていないので、絽の着物も持っていませんが、時々すごく涼しげに絽の着物を着ておられるオバサマを見かけます。
この暑さの中、着物を着て、帯を締めて、足袋を履いて、暑くはないのでしょうか。まるで女優のように顔に汗一つかいていないのです。
そういえば、夏の着物姿で思い浮かべるのが、盆の供養に訪れるお寺さんの袈裟姿です。あの方々も炎天下の中、檀家さんを巡っているにもかかわらず、あまり暑そうではないですよね。
ひょっとしたら、夏の着物には、何か暑さを忘れるような特別な仕掛けがあるのでしょうか?