エスケープ

授業の入っていない時間帯に、たまたま廊下を歩いていたら、女子トイレの柱の陰に、なにやら人の気配が・・・・
覗き込んでみると、中学一年生の女子が二人、こっそり隠れているではありませんか。



「何してるのかな?こっそり、う○こでもしにきた?」
と尋ねると、
「ちょっと寒いので・・・」
などと、およそ私の予想した答えとは違う返答をしてきました。



そこで詳しく尋問してみると、道徳の授業に出たくなくて、保健室にしけこむつもりで教室を抜け出してきたら、養護教諭が外出(怪我した生徒を病院に連れていった)中で、保健室に鍵が掛かっているため、ここでこうして避難しているとのことでした。



「ふ〜ん」
としか答えようがないよねえ。



彼女たちの言い分は、教室の中が寒くて仕方が無いとのこと。それなのに、隣の子が窓を開けるから嫌だというのです。
「それじゃあ、先生が一緒に教室に行って、先生に窓を閉めてもらうように頼んであげるから、戻りましょう。第一、教室の中より、このトイレの中のほうが絶対に臭いし気温が低いハズだから。」
というと、
「だって、隣の子が窓を開けるから・・・」
だって。
もう少しで、
「あんた本当に日本語わかってんの?」
と、言いそうになりましたが、そこは抑えて、抑えて。



運よく、教室に戻る廊下を歩いている途中で、一年生の主任さんにであったので、二人を引き渡してきました。


一年生のうちから、こうやってエスケープすることに、何の不安も罪悪感も無い子って、先々どうなっていくのか、簡単に想像がつきますよね。