バザー供出品

今年で最後のご奉公となりますが、小学校のPTA主催のバザーに出してもらう供出品をいただきに、近所のお宅を回る仕事があります。
この辺りの住民の方々は、割合協力的な方が多くて、恒例の不用品供出にあわせて、一年分の供出品を貯めておいいて下さる方が大勢いらっしゃいます。
銀行でもらうサランラップ粗品の洗剤、快気祝いなどのお返しとしていただくブランド物のタオル・バスタオル、足拭きマットやバスソルトなど、消耗品を出される方が多いです。



その中で、時々目にするのが、海外のお土産で頂いたようなブランド物の香水や口紅、レースがたっぷり使ってあるすっごくかわいい化粧ポーチ、海外ブランドもののマグカップのペア、ガラス細工が美しいポートレイトを入れるための写真立てなど。
「こんなにかわいくてお高そうな物を本当に出していただいてもいいんですか?」
と聞きたくなるような物を出してくださる方もいるのです。



ここから以下は、私の妄想です。

新婚旅行でパリに行った姪のお土産は、すっごく可愛い総レースの化粧ポーチでした。
「わぁ、かわいいポーチだわあ。でも、今使ってるこの化粧ポーチだって、少し古いとはいえ、まだ現役だわよねえ。これが引退する時まで、このレースのは押入れにでも入れておきましょ」
といって、押入れの片隅に置かれますが、何しろ忙しい毎日を過ごすうちに、総レースの繊細な化粧ポーチが押入れの中に入っていることを忘れてしまうのでしょう。
今使っている化粧ポーチが破れてきたら、
「あらやだわ。新しいのを買わなくちゃ」
となって、しまったのでしょう。
こうして、総レースの化粧ポーチは10年間も忘れたまま押入れに入っいます。目を凝らしてよーっく見ると、繊細なレースの上にはシミが浮き出ていたりするのです。



そして、恒例のバザー供出品のお願いのお手紙がポストに入っているのを見て、なにか不用品はなかったかしらと、家捜ししてくださるうちにあの総レースの化粧ポーチを見つけることなります。
「あらあ、こんなに可愛いのがあったんだわ」(もう、この時点では誰からのお土産だったのかはすっかり忘れています)


こういう経緯を経て、ちょっとシミがあるけどブランド物で新品という状態の「お高そうでかわいい」モノ達がバザーに出されてくるのだと想像しています。