雨音

ロサンゼルスは、一年のうち、一ヶ月くらいしか雨のシーズンはありませんでした。
冬がロスの雨季に当たります。
とにかく、一年中乾燥していて、抜けるような青空が来る日も来る日も見られたものです。

私は、日本の夏に見られる高温多湿とは相性が悪いのですが、かといって、毎日カラリと晴れ上がって、一滴の雨粒も落ちてこないような脳天気な快晴というのにも、物足りなさを感じたのは事実です。



何を隠そう、実は雨降りの日は嫌いではありません。
梅雨のシーズンのように、昨日も今日も明日も明後日も一週間先もずっと雨ではちょっと困りますが、一日か二日の雨ならむしろ歓迎するくらいです。



外出を極力控えて、部屋の中で、雨音を聞きながら、のんびり過ごせたら最高。
よく、環境音楽で、潮騒の音が入ったCDを見かけますが、私にとって雨音は、どちらかといえば、環境音楽に近いものかもしれません。



子供のころ、不思議と雨が近づいている曇りの日には、頭痛がしたものです。
この頭痛は、大人になるにしたがって自然に治っていきました。
雨が降ってしまうと頭痛は消えました。
そういう経験があったので、余計に雨と頭痛が治癒することとがワンセットとしてインプットされたのだと思います。ドンヨリと空気が重い曇天の日は、憂鬱になりましたが、雨降りは逆に気分が晴れたものです。

今も家の外から雨音が聞こえてきています。
秋の夜長は、雨音でも聞きながらベッドに寝そべって、本でも読むつもりです。