合唱コンクール

どこの中学でも定番となっているようですが、文化祭のイベントの一つに、合唱コンテストというのあります。クラス対抗で、歌声を競うというものです。
毎朝、各教室から、自分たちが選曲した合唱曲を練習する歌声が聞こえてきます。
体育大会が終わったころから、合唱の練習が始まっているようで、随分長い練習期間がとってあります。
尻に火がつかないとなかなか集中できないのは、どんな場合でも同じらしく、どのクラスも最近になって、ようやく「合唱」らしくなってきました。



日本の学校教育のすごいところは、こういう「みんなで力を合わせて」何かするというのを体験させることだと思います。


恐らく、一クラス35人中、二割くらいの生徒は口パクか、蚊の鳴き声程度しか出ていないと思います。
息子Aは、小学校六年の学芸会のとき、口パクならぬ、縦笛の指パクをしていました。実は、他にも何人か、指パクをしていたという子を知っています。
本来なら戦力外の生徒なのに、そういう生徒もちゃんと「みんな」の一員として強制的に合唱国クールに参加しているところが、日本の学校教育らしいと思うところです。



効率でいったら、全然良くないのかもしれませんが、少なくとも、文化祭当日、クラス全員が体育館のステージの中で、全身にライトを浴びて、全校生徒の前で晴れ姿を披露できるのです。どのクラスにも盛大な拍手が与えられ、ステージを降りた生徒たちは、肩を抱き合わんばかりに感動しています。
戦力外の生徒も、同じ感動を共有できる、数少ない学校行事の中の一つだと思います。
何でも画一的にやらせ、横並び主義の日本の義務教育に対しては、私自身、すごく不満もありますが、こと合唱コンクールに関しては、全員参加・横並び主義も悪くないと思っています。