エレガントな仕草  パート②

携帯を魔法のように取り出す彼女は、実は、準備も万端な女性です。
以前、彼女と、もう一人の友と三人で一緒に京都日帰りをさせていただきました。
ちなみに、三人とも、息子たちが同じ中学へ通い、三人とも中学や高校で講師をしているという共通点があります。



曇り空でしたが、雨が心配というふうでもなく、私は、雨具を持たずに家を出ました。
ところが京都では、昼過ぎごろから雨が降り出しました。彼女は例のシャネルのトートの中から晴雨両用の傘をさっと取りだし、私たちに差しかけてくれたのです。
そんなことしていただいたら恐縮しますよね。私たち準備不足の二人は慌ててビニール傘を買ってきました。



実は、彼女が新幹線のチケットの手配から、夕食の予約の手配から、お土産の予約から、タクシーの支払いから、お薦めの喫茶店のセレクトまで、すべて手を回してくれていて、私たちは、ただひたすら京都を楽しむだけですんだのです。
ものすごく楽しいですよ。女三人の京都というのは。
何がすごいことかといって、チケットもパンフレットも傘もカメラも地図も全て、あのトートバッグの中に納まっていて、何でもかんでも魔法のようにエレガントにスッと出てくるのです!



ひょっとしてシャネルのプロダクツ全てがお高いのは、見かけ以上にすごい収納力があるからなんでしょうか?
エレガントな仕草の基本は、シャネルのハンドバッグを持つことから始まるのでしょうか?
私は、一個も持っていません。これを読んだ息子Aは
「ひがんでいるの?」
と聞いてきました。
・・・・・べつに僻んでいるわけではありません・・・・・・・・