ロートレック展

ニコール・キッドマン主演の映画「ムーランルージュ」をご覧になりましたか?
ロートレック展を見て、すぐに頭に浮かんだのは、あの映画でした。
ちょうど、時代的にはロートレックの生きた時代と同じくらいなんじゃないかと思います。



彼の作品に混じって、何点か当時のパリの様子を写した写真や、花形芸人のポートレートも展示してありました。
当時の写真は、モノクロである上に、いかにもカメラのレンズを意識した「静止画像でござ〜い」というお澄ましの表情が多いですよね。
ところが、ロートレックの描く人物は、「フォトジェニック機能搭載」の新型カメラでも撮り損ねてしまうような、一瞬の表情や動作が捉えられていて、今にも動き出しそうだったのが驚きでした。



だから、映画ムーランルージュを彷彿とさせられたのは、当時の写真からではなくて、ロートレックの描くポスター画からでした。
もう一度、映画が見たくなりました。(ストーリーは平凡だけれど、映像とニコール・キッドマンの美貌・美声がすんばらしかった)

写真よりも、生々しく当時の熱気や華やかさや退廃や淫靡さを伝えているのに驚きました。
やっぱり天才なんですね。
ゴッホ展を見たときにも感じたのですが、天才芸術家というものは、人には見えない何かを見続けたり、聞き続けたり、感じつつけているせいか、命が短く、しかも精神に異常をきたす人が多いんですね。