チャングム
初めて読んだ韓国の作品は、前や宮廷の官位が見慣れないものなので、かなり苦痛でした。
また、ドラマを知らないので、名前を見ただけでは、その登場人物が男性なのか女性なのかすら分かりません。さらに、この筆者の特徴として、初めて登場する人物の説明が全然ないのに、既出であるかのような表現をしていることです。
「あれ?この人誰だったっけ。」
と、前のページを探しますが、それらしき人物が出てきません。20ページくらい読み進めて初めて、その人物の説明があったりするのです。
時間の経過や場所の移動が分かるような表現も少なくて、混乱しながら読むことになりました。



ところが、不思議なことに、これだけ不満がありながらも、途中で止めようという気にはならないのです。



それは、主人公が決して幸せらならないからなんです。
これだけ計略にはめられ、陥れられ、辛酸の限りを舐め、蔑まれ、命の危機に立ち、追放され・・・・という悪意に翻弄されているチャングムを見たら、とにかくこの娘が幸せになってくれるところまで読まないことには、どうにも溜飲が下がりません。納得できないのです。



日本のドラマ「大奥」に通ずるところがあるんだけど、それだけに留まらず、マンガ「ドラゴンボール」や「ポケットモンスター」的な要素も入っています。


どろどろとした情念や跡継ぎ問題は、大奥に通じます。
次々現れる試練を乗り越えて、次なるステージへと進むという展開は、少年漫画に好んで使われるプロットです。


この二つの要素が絶妙に混じっているチャングムが、オバサマに受けないはずはありません。