霊感 その②

翌朝も、義理のお母さんに話すと、
「ああ、それはここのオジイサンですよ」
と言ったそうです。
念のためですが、○○先生は、この時に、この二人の幽霊に出会うまで、一度だって幽霊はおろか、第六感もなければ霊感を感じたことも無かったのです。
「え゛〜、なんで突然、こういうことになるわけ?」


○○先生が霊感を発揮したのは後にも先にも二回だけだそうです。


ところが、それから数年だって、もんのすごい事実が判明したのです。
あの時、お腹の中にいた娘さんが10歳くらいの時の話。
運転している母親の隣に座っていた娘さんが突然、
道端を指差して
「おかあさん、あのオジサン見える?」と、聞くのだそうです。
「えっ?お母さんは見えなかったなあ。車を運転しているから、見逃したんだね。」
「じゃあ、帰りにもう一回見てね」
「そうするわ」

ところが、帰り道でも娘の言うところには誰もいないのだそうです。
「お母さんは見えてないんだね。あの人は死んだ人なんだよ」といったそうです。

さあ、びっくりしたのは○○先生です。
「あんた、そんなものが見えてるの?」
と聞くと
「うん、見えているよ。」
とのこと。



どうやら、○○家では、代々霊感の強い人が出る血筋だったようで、先生の旦那さんも小さいころには、いろんなものが見えていたそうです。長じて、その力がなくなったそうですが、どうやら娘さんには確実に霊感が伝わったようだというのです。
そういえば・・・・・と、思い当たったのが、子どもを妊娠していた時のこと。
二晩続けて現れた先祖の幽霊が見えたのもそのせいだったんだ。幽霊が見えたのは、○○先生の力ではなくて、お腹の中の子どもの力で見えたんだと考えると合点がいくというのです。