霊感 その③

どうですか?
この話、信じられますか?私の夫は、はなから信じられないといっています。
たいていの人は信じられないというでしょうね。
ところが、私はこの話は、まんざら嘘じゃないという気がするのです。
なぜなら、私も、子供のころに、「霊感」と呼べるかどうかは分かりませんが、一度、この世のものならぬ人を見たことがあるからです。
私が何を見たのかについては、いつか、お話しする気になったときに紹介します。


さて、○○先生の娘さんの話の続きです。


ある時、娘さんがみんなで墓参りに行ったとき、とある立派なお墓の前を通りかかると、軍服姿で血だらけのおじさんがスッと娘さんの前に立ちはだかったそうです。見ると、「陸軍大将」と書いてありました。
その話を聞いた先生の親は、すごく心配して、
「そんな血だらけの幽霊を見るようでは良くない」と、霊除けのお札を送ってきました。
「なるべく、そういうものを見ないようにしてごらん」というアドバイスに従って、娘さんも、それ以来なるべく見ないようにしているんだそうです。


ところが、高校二年のとき、修学旅行で沖縄ひめゆりの塔で戦争体験者の講話を聴く機会がありました。
講堂で生徒が待っていると、ひめゆりの生き残りのオバアサンが入ってきました。一斉に拍手で迎えるのですが、なぜか急に息苦しくなってきました。なぜなら、その講師のオバアサンの後ろには、40人から50人のヒメユリ部隊の戦死者がゾロゾロと一緒に講堂に入ってきたからです。
なるべく見ないようにと言われて、見ないようにしてきた娘さんですが、こんなにもたくさんの霊が一斉に現れたのですからたまりません。脂汗がじっとり滲み、呼吸も浅くなって苦しかったけれども、なんとか40分の講話の時間をやり過ごすことができました。講師のオバアサンが拍手に送られて講堂を出て行くと、またヒメユリ部隊の女生徒も一斉にゾロゾロついて出て行ったそうです。


この話を、「信じる」といえる方は、恐らく今は無くても、小さい時分に何かの気配を感じたり、見たことがある人じゃないですか?