ベビーシッターの仕事

夏休みになって、自由な時間が増えると、日ごろご無沙汰している友人に電話をかけて、近況を報告しあう余裕ができます。
私の高校時代からの友人は、専業主婦をしている人です。子供二人はそれぞれ大学生と高校生で、子育ても、ほぼ終わり。のんびり趣味とボランティアに生きているというとても恵まれた環境にいます。
彼女は、以前からボランティアで地域の子育て中の若いお母さんたちのサークルに参加して、育児や子育ての相談に応じていのですが、最近、もう一歩進んだ活動を始めたと言っていました。



アメリカのベビーシッターの大人版のような活動です。
保育園や幼稚園がお休みで、子供の預け先に困った経験ってありませんか?実家や兄弟姉妹が近ければ、見てもらうこともできるでしょうが、遠方から引っ越してきたばかりで肉親も知人も回りにいない時は、本当に困ってしまいます。

私がアメリカに住んでいた時、もちろん知人も肉親もいない状況でしたが、なんとか無事に子育てをすることができ、たまには夫婦で息抜きのデートなども楽しめたのは、ひとえにベビーシッターさんの手を借りられたからです。高校生くらいの女の子にとって、ベビーシッターはかっこうのお小遣い稼ぎとなりますから、頼めば大抵は見てもらえます。自分の子どもが小さくて心配なら、近所の高校生で、いざというときには彼女の母親がいるという人なら、心配は要りません。
ちなみに、我が家には日本から持ってきたニンテンドーのゲーム機がありましたから、息子ABとシッターの高校生が三人で対等に遊べたと思います。(当時は日本のほうが格段に進んでいたので)



話を戻しますが、彼女は、市が募集していたシッターさんに応募して、子供を預かってあげているそうです。
不定期の仕事で、突然「今からお願いします」というような依頼もあるそうです。専業主婦という立場ならではの仕事だと思います。市もいいところに目をつけたなぁと感心しています。
働く親も安心できるし、子供も幸せだし、シッターさんも充実感を持てる。彼女にしてみれば、本当に端金でしょうけれど、ボランティアのつもりでやっているようですから、社会貢献の一つの形として活動しているみたい。

幼児の預かりだけでなく、幼稚園(保育園)へのお迎えとか、小学生の塾の送迎とか、そういう依頼でもOKなんだとか。


詳しい話は、またゆっくり聞かせてほしいと思いましたが、基本的には市は、万が一の場合の保険面の補助と、シッターと依頼者のマッチングを担当してくれているものの、運営やシッターさんへのお礼については、どうやら関与していないようです。
すごくいい制度だと思いました。



ちなみに、10年前にアメリカで高校生に支払っていたベビーシッターの代金は、都市部では一時間8ドルくらいで、田舎では5ドルくらいでした。

日本に帰国してからは、私が出かけていて、小学生だった子供が家に先に帰ってくるような時や、塾のお迎えで息子Bが一人で残ってしまうような時には、実家の父にシッターを頼んで1000円払っていました。
このお金のやり取りがあると、曲がりなりにも仕事になりますから、父もベビーシッターが頼まれた日には晩酌をやめてスタンバイしてくれていました。無給だったら、私もすごく卑屈にお願いすることになったと思います。