野草

息子Bは、ハンモックのアイデアといい、マサカリ名人としての名声といい、今回の山小屋での活躍に、皆の賞賛を集めたのですが・・・・



野良仕事を終えて、車で15分のところにある温泉に出かけ、サッパリとして山小屋の戻ってくると、いよいよお楽しみのバーベキューが始まります。ところが、一番の食べ頭の息子Bの様子が変。頭が痛いといいだし、少し食べただけでハンモックによじ登ると、そのまま横になっているのです。
いったいどういうこと?
きっと温泉の湯にあたったんだとか、根っこ掘りで疲れたんだとか、いろいろ理由が思いついたので、放って置かれましたが、夜になっていよいよ調子が悪そうで、ゲームをやっている最中も花火で盛り上がっているときも、元気がない。
おまけに、早々とひとりで寝床にもぐりこんで寝てしまったのです。
本人は風邪をひいたのかもしれないというので、風邪薬を飲ませて寝かせておいたのです。



翌朝、一応すっきりと起きてきたので良かった良かったということになりました。昨日の不調はなんだったんだろうねぇ。
朝食のあと、息子Bが一枚の葉っぱを持ってきて
「これは露草の葉っぱなんだけど、本に食べられる野草と書いてあったから、昨日、これを食べてみたんだ。そしたら、口の中がアワアワになったけれど、一思いに飲み下した。」
との衝撃の告白。一見露草の葉のようにも見えますが、この山小屋で露草が咲いているのを見た事がない以上、その葉っぱは食べられる野草の露草とは別物の何かだったのです。
つまり、息子Bは毒草を食べて不調になったらしいのです。
本当に、命知らずほど怖いものはありません。
昨日までの息子Bの栄光は地に落ち泥にまみれ「ただのバカ息子」というレッテルを貼られ、しょんぼりとしてしまったというわけ。


よくわからないものは、口にすべからず、という教訓を身をもって学んだ息子Bでした。