なんで一番じゃないの?

息子たちが通う中学・高校では、三ヶ月に一回くらいの割合(我が家は二人いるので、この倍です)で、学校主催やクラス主催の懇談会が開かれます。
子供たちの生活面の注意点とか、親のなすべきこと(大抵は、なしてはならないことの注意の方が多い)などのお話があります。



私も経験がありますが、親から勉強しろといわれると、なんか水を差された気持ちになって一気に気分がブルーになったものです。
やはり息子も、同じことをいいます。
よそ様の話を聞いても大体同じです。
「今、やる気が99パーセントまで到達していたのに、かあさんの一言でやる気がゼロになってしまった」
そして、進路指導の先生も全く同じことをおっしゃります。
「大抵のお宅では、お母さんが子供の勉強の邪魔をしています」と。



だいぶ前の懇談会で聞いた話です。
高校三年生の進路指導で、親子面談をしていたときのこと。
たいていの面談では、子供が実力以上の学校名を口にしていて、親もそのつもりできて、机の上に広げられた「実力」を目の当たりにして、なんとなく親子の空気が険悪になるというパターン。
時には、親子面談に父親が来ることがあるそうです。
(きっと、母親は嫌な話を聞きたくないので「たまにはあなたが行って来てよ」とかなんとか夫婦の会話がなされてしぶしぶきたっていう雰囲気)
大抵の父親は、子供の成績に無知なので、時々すごくトンチンな話をするそうです。
「先生、息子は数学は80点ですか。まあまあですね。やっぱり理系ともなると満点は無理ですなぁ」
ちなみに、数学は200点満点です。
そんなとき、息子は下を向いて何も言わないので、先生も何もいえないといっていました。


世の中の親がどれくらい子供に際限なく要求しているのかが判る、典型的な話を紹介してくれました。
クラス一の秀才君が母親と面談室に現れたときのこと。
先生は、この子の出来なら何も心配はないし、この調子でがんばれというくらいのつもりだったそうです。
すると、母親は、成績の一覧を見て一言
「なんで一番じゃなくて(学年)二番なの?」
と、息子をなじったそうです。



この話が真実なら、結局学年で一番の息子の親御さんしか心穏やかな三者面談を迎えられないってことですかね?
・・・そんな上位になったことがないので、なんともいえませんが・・・・


そして、毎回進路指導の先生のお話は、この言葉で締めくくられます。
「勉強するのは、お母さんじゃありません。息子さんだということを忘れないで下さい。」
「いろいろプレッシャーを掛けないで下さい。」


三々五々、学校から帰宅するとき、ほぼ90パーセントの親は
「判っちゃいるけどね・・・・」
と語りながら家路につくのです。