奈良の路地

学生時代に奈良で四年間も過ごしていたのに、何にも奈良のことを知らずにいたことをとても悔いています。奈良って、刺激の無い垢抜けない鹿ばかりがウザウザいる田舎の町だと思っていました。
世の中で無知ほど怖いものはありません。
奈良は、路地にはいってナンボの観光の宝庫だったのです。



奈良市外にもたくさんの古代の遺跡が残っているのは有名です。
飛鳥や山之辺の道や斑鳩方面など。
奈良市街だと、東大寺春日大社興福寺くらいをさっと参観しておしまいだと思っていたのです。
全然思い違いをしていました。
奈良市街は、乙女心をくすぐる懐かしい風景がぎっしり詰まっていたんです。




近鉄なら駅から南に伸びるアーケードの商店街。
私は学生当時、朝まだ店のシャッターが開く前に、そこを自転車で走り抜けていました。
ゆっくり歩くとか、ちょっと路地に入るとか、そういう余裕もなく、ただひたすらに自転車を走らせておりました。
ところが、ゆっくり歩くと、面白いお店や歴史のある住宅や有名なお寺が静かに紛れ込んでいるのが見えるのです。
奈良の町並みでは、すごく有名な寺院やお店も全然声高に宣伝されていません。
だから、自転車に乗っていると四年間走り続けても見落としているところが沢山あったのです。


続きは明日。