御堂椿

幅が一メートルくらいの路地の奥にも素敵なお店があったりします。
住宅の隣に、さりげなく重要文化財の寺院があったり。
いや〜、実に楽しい町でした。
古い伝統にとらわれない若い人のお店も沢山並んでいます。
和服姿の女性が多いのにも驚きました。
貸衣装の和服屋さんというのもあって、一日和服を着て古い町並みをそぞろ歩きして3500円とか。
京都に舞妓さんの衣装をさせてくれるお店があると聞きましたが、古都奈良で和服で一日過ごせるというのもそれに匹敵するくらい楽しいと思うわ。


今年は、仏様の頭に鹿の角を生やしたことで賛否両論となった遷都君が有名ですが、奈良
遷都1300年という大きなイベントがあって、奈良自体が活力に溢れていました。



古都奈良に春を呼ぶ行事は、なんと言っても「お水取り」です。
夜の東大寺を大松明があかあかとめぐる様子をテレビニュースなどで御覧になった方も多いのでは?
その、お水取りの季節限定の和菓子に『御堂椿』という生菓子があります。
紅白の花弁の中心に椿独特の花芯がすえられています。遠目から見たら、まさしく紅白の斑入りの椿。
奈良にたくさんある和菓子屋さんのうちの何軒かの店先に「御堂椿」の文字が見られました。
細工が細かいので、お値段の方はちょっとお高くて、一つ約400円也。



どうしよっかなぁ〜、と一瞬躊躇しましたが、せっかくの季節限定で、今まで食べたことの無いお菓子だったので、お土産として八個購入することにしました。
お店に入ると、なんと「予約販売」の文字が・・・・
幸い八個だけ余分があって買うことができました。
お金を払っていると、次のお客さんが入ってきて
「御堂椿、あるか〜?」(奈良弁ですから語尾は上昇させてください)
と聞いていました。
「あ〜、今売れましてん」
の言葉に、残念やなぁとかなんとかつぶやきながら出て行きました。
人気商品なんだ!



二月〜三月に奈良の和菓子屋さんで「御堂椿」をみたら、話の種に一つ買ってみてはいかがでしょうか。
ねっとりした口当たりですっきりとした甘さ。一見矛盾した表現ですが、甘みが上品なので、ねっとりした餡の後味が至極よろしいのです。
400円の価値はありましたよ。