人は見かけが9割

近年のベストセラー本に「人は見かけが9割」(ひょっとしたら微妙に表現が違ったかも?)という本がありました。
実は読んでいないのですが、その本の題名にはすごく目を引かれました。



30年経っても、忘れられない中学の校長先生の講話があります。
こんな内容でした。
ある高名な和尚さんが、とある立派な一族の法要に招かれました。
その時に、和尚は墨染めの粗末な法衣を着て出かけたところ、門前払いを受けます。
「ここは、お前のような貧乏な和尚の来るところじゃない。とっとと帰れ」
さすが高名な和尚さんは、そんな扱いにも腹を立てずに
「はい、そうですか」
といって素直に寺にもどります。
一方、一族が集まって、高名な和尚を待っているのになかなか現れないので、業を煮やして人を遣わして呼びにやりますと、しばらくして遣わされた人は、立派な錦織の法衣を携えてすごすごともどってきました。
「一体、和尚様はどうなさった?」
との質問に、
「和尚様は、『あなた方が待っているのは、この見事な法衣のことではないですか?』といって、私にこれを渡してくれました」
と答えます。
そこで一同はハッと気付くわけです。追い返した貧しい姿の坊さんが和尚様だったと。


ここまで話して、校長先生は
「だから、人は見かけで判断してはいけないのです」
と締めくくりました。



克明に記憶に刻まれているのは、この話が感動的だったとか、真理だと思ったからでは、全然ありません。
子供心に、めちゃくちや胡散臭い話だと思ったらです。


続きは明日。