名古屋ボストン美術館、しっかりしてよ

昨日の祝日は、天候の都合から、あらかじめ予定していた潮干狩りを延期して、夫と名古屋ボストン美術館で芸術鑑賞でも楽しもうということにりました。
現在の展示は「風景」とのこと。


風景画が嫌いという人はあまりいないでしょう。
パソコンで検索してみると、高台からはるかかなたに続く色とりどりの畑がパッチワークを継ぎ合わせたような塩梅に描かれた作品が出ていました。
ヘアピンカーブに曲がったアスファルトの道路は、ライラック色に塗られていて
「このカーブをビュンビュン下っていったら、さぞかし気持ちよい風を全身に受けるだろうなぁ」
という絵です。
「あまり聞いたことの無い作家の名前だけど、楽しそうじゃないの」
というわけで、早速出かけてきました。


美術館の入り口で、ちょっと悪い予感がしました。
なぜなら、チケット売り場には、誰一人としてチケットを買い求める人がおらず、チケット販売の係りのオネエサンは、奥歯まで見えるような大あくびをして、いかにも暇そうにしていたからです。
「一人1200円です」
の代金を払って、いざ展示場へ足を入れると・・・・・



そこにあったのは、現代アート以外の何者でもなく、どこをどう鑑賞したら「風景」に見えるのか、凡人の理解の範囲を超えた作品がポツ・・・ポツ・・・と展示してあったのです。
やけに壁の空白が目立つように感じて、出品作品の数も控えめ。数えたら全部で30作品か31作品でした。
「これは、風景じゃなくて、現代アートというくくりで出すべき作品じゃん」
真っ白いキャンバスの真ん中あたりにチョコチョコっと数色の原色の絵の具が塗りつけてあったり、カルピスのポスターかと思うようなのがあったり。
お客さんは、数えるほどしかおらず、首をかしげつつ題名および説明文を読む姿ばかりが目に付きました。
題名がなければ、何が言いたいのか判りませんから、凡人には。



パソコンで検索して出てきたあのアスファルトと畑の絵は、唯一といっていいくらいの「風景画」でした。
これって、詐欺だと思う。
名古屋ボストン美術館学芸員さんに一言言いたい。
こんなことしてたら、ますますお客の足が遠のきますよ。
この展示で一人1200円は、ぼったくりですよ。


夫と二人、なぜか無口になってしまって、だんまり・・・で会場を出ると、エスカレーターのところで、美術館の案内をしているオネエサンが
「これ、くじになっています。あちらでくじを引いていって下さい」
といって、くじの引換券をくれました。
こんなこと、初めてです。
よほどあの展示を1200円で見せたことに後ろめたさを感じているんだろうなぁ、なんて思いつつくじを引いたら、残念賞の白い玉がポロリ・・・と出てきました。



私は、ボストン美術館にはしばしば訪れる、自称半常連さんです。
だから、ボストン美術館にはがんばってほしいし応援もしています。そこで敢えて苦言を呈します。
あの企画は、ボッタクリですよ。