修理屋さんの気持ち

去年買い換えたHITACHIのエアコンに不具合が出ましたので、エイデンに電話して、修理を依頼しました。
数日後、エイデン経由で、製造元の修理担当からメカニックの人がやってきました。
30歳前くらいの、まだ若い男の子です。


私が、
「ひょっとしたら、この部位の故障って、多くないですか?」
と聞きますと、
「リコール手前くらいの不具合」
なんだそうです。
「実は私、不具合が起きたとき、取り扱い説明書を読んで、ピンときたのよね。もしも、▽▽の調子が悪いときには、故障が疑われるので修理を依頼して下さい・・・みたいな表現だったから、ここはイマヒトツ自信がないところなんじゃないかと思ったのよ」
「すごい、読みが深いですね」
「そう思う?私、国語を教えているからね」
と、いうような話をしているうちに修理が終わりました。
修理というより、不具合の部分をごっそり取り替えたのでした。


「先生は、仕事が楽しそうですね」(いきなり私のことを先生と呼ぶのでびっくりましした)
「楽しいよ〜。みんなが表向きは真剣に私の話を聞いてくれるもんね。うちじゃあ家族みんなが母親の話なんか上の空で聞き流しているって言うのにねえ」
「いいですねえ。僕は仕事が嫌ですよ。先生のようなお客さんばっかりならいいんですけれど・・・。修理に行った瞬間から、ずっと怒鳴っている人って多いんですよ。確かに故障しているので、怒りたい気持ちは分かりますけど」
「でもさあ、故障させたのはあなたじゃないのに、そこであなたに怒ってもしょうがないよねえ。怒るなら、製造元に言ってください、だよね」
「はあ、でも大抵のお客さんは、私に怒るんですよ」



ということだそうですよ。
故障して腹立たしい気持ちは分かりますが、それを修理に来たメカニックにぶちまけても埒が明かないのです。
どうか、怒りが収まらない時には、彼にではなくて、本社に言ってあげてください。