愛着エプロン

息子たちは小学校の5年生のとき、家庭科の授業でエプロンを作りました。
エプロンの生地は、何種類かの中から本人が好きな柄を選ぶことが出来ました。


ゲームの主人公の図柄やアニメの主人公、ドラえもん、チェック柄などのなかから一つ選んで、エプロンの形に縫い、ポケットをつけて、フェルトで自分の名前を切り抜いたものをアイロンで接着して、さいごに首のところに紐を通して出来上がり。


大人なら、30分で終了しそうな課題を何週間もかかって作った、思い出の作品です。
ちなみに、私は、家庭科ボランティアとして授業に出ていたので、小学5年生の男子に被服の授業を教えるのがいかに大変かを目の当たりにしました。
しかも、このときの担任が若い男の先生で、恐らく家庭科の授業は初めて、という人でしたから、私だけでなく、心配した他のお母さん方が5〜6人は毎回参加していました。
この先生、お母さんたちに随分と助けられたことと思います。


自作のエプロンは、その後の調理実習の時には毎回使用され、小学校時代は大活躍していました。アイロンで接着しただけのアップリケは一回目の洗濯時に全て剥がれてしまいましたが。


中学に上がって、家庭科の調理実習でもエプロンが必要でした。息子たちは二人とも自分で作ったあのエプロンを持っていきました。
上の息子Aは、現在高校三年生。
今度の学校祭ではクラスでたこ焼きやさんの屋台をするとかで、この一週間は毎日のように授業後たこ焼きを焼く猛特訓を続けています。
なんと、その時にも「あのエプロン」を使っているのです。


「ねえ、そんなショボイのやめて、もう少しかっこいいやつを買ってきてあげようか」
と聞きましたら、
「いや、他のみんなも、全員小学校時代に作ったエプロンしているし。みんな背が伸びたから、金太郎の腹巻もたいに丈のピチピチのやつをつかっとる。」
とのことでした。


なんかジーンときました。
みんな小学校の時に作ったエプロンにはものすごい愛着があるんだね。
(それを捨てずにとっておいた母も凄い!)