ヒヒのお父さん

昨日のNHK「ダーウィンがきた」で取り上げられていた動物は、ヒヒでした。
霊長類って、人に近い分、あかちゃんは一際かわゆい。


生まれたてのヒトの赤ちゃんは、クシャクシャで、まさしくサルという感じですよね。うちの息子たちは明らかに毛の無いサルでした。
一方の本家サルは、赤ちゃんのときから「かわいいサル」なんですね。
昨日の番組を見ていてそう思いました。


アフリカの湿原に棲むヒヒの群れを追跡していました。
ボスの雄ヒヒ一頭が、70匹の群れを率いているんだけど、その内訳がすごいの。
約半数は子供。残りの約半数が雌。ボスを含めた九頭が雄で、ボスだけが雌を所有しているという図です。残りの八頭の雄は、隙あらばボスの座を射止めんと、毎日権力抗争に明け暮れるという、「ゴッド・ファーザー」みたいな世界でした。


そんな中で、ボスが変わると継子である赤ちゃんヒヒは、邪魔者として殺されてしまうこともあるそうです。
か弱い赤ちゃんヒヒが、義理の父の目をはばかって身を隠すように生きる姿は、「かわいい」じゃなくて「かわいそう」ですが、これも自然のおきてなんでしょう。
動作の一つ一つがいたいけな赤ちゃんを具現していて、かわいいのに涙を誘う映像でした。
ボスの座を追われ、体に障害を残した父親が、赤ちゃんの盾になっているという話でした。
ジーンときましたよ・・・・。


翻って人間界。
ときどき再婚相手の子供を虐待する夫のニュースが流れます。酷い場合には、子供を殺してしまったりすることも。まさしくヒヒの新しいボスがとるのと同じ行為ですね。
その場合、離婚した元夫(血のつながった遺伝上の父)って、あまり関わっていないのが気にかかります。
ヒヒのお父さんは、がんばっていたぞ。
ヒヒの世界の方が、人間の父親よりも、血のつながりを大切にしているみたいに思えました。