名前

生徒の名前が、どんどん奇抜になって、フリガナ無しで読めないものが半分くらいあるといって、小学校で非常勤をしているオバサン講師が嘆いていました。
昔は、優子・愛子・佐知子・亜希子・・・という具合に、ほぼ万人が読める漢字で読める読み方の名前を持っていましたよね。


今では、「子」のつく名前は絶滅寸前です。
一クラスに18人女子がいて、一人しか「子」のつく名前がなかったこともあります。
そのまま宝塚の芸名として通用しそうな華やかな名前が好まれる傾向にあるみたい。
響き的には「アヤカ」「リサ」「エミリ」みたいな垢抜けたイメージ。



先日も、男子生徒で「騎士」と書いて「ナイト」と読む人に出会いました。
見かけ上は明らかな「チャラ男」でした。中身はどういう人は知りませんが。
シャツのボタンは一番上が開けてあって、ズボンは下げパン、髪はイマドキ風にムースで立ち上げてあるといういでたちでした。
明らかに名前負けしてないかい?


以前、小学校で非常勤をしているオバサン仲間から聞いた話。
「宝石ちゃん」という女の子がいたそうです。
呼び方は「ホウセキ」じゃないですよ、「ジュエル」だそうです。
それが、宝石のように光り輝く子ならよかったのですが、明らかにここ一週間は風呂に入っていないよね・・・的な汚れ方をしていて、「これって育児放棄というやつか?」と疑われても仕方が無いような生徒だったそうです。
お母さんは、子供が生まれたときに、世界で一番美しい名前を娘にプレゼントしたいと思って随分気張ったのでしょう。
でも、現実世界は頭で思い描いていたような理想の世界とはちがったのかな。かなり名前とのギャップがあったみたい。


ま、気持ちは分かります。
「一番美しい」「一番人目を引く」「一番かっこいい」名前を子供につけたいと思う親心は痛いほどわかります。
でも・・・・名前との落差が大きすぎるのも、ちょっと悲しいかも。
私は平凡な名前をもらって40数年それで生きてきました。
さいころは、華やかな響きの名前に憧れたこともありましたが、この歳で「ジュエルさん」と、病院の待合室で呼ばれたら、我が身の見かけとのギャップに、ちょっと恥ずかしい思いをしそうです。