孤族

朝日新聞で年末に連載していたトピックに「孤族」というタイトルのものがありました。
去年、NHKスペシャルでも特集が組まれたことがあります。
きっかけは、もうとっくに亡くなっている人の死亡届を出さないで、その方の年金を横領していたという東京の事件でした。まだ記憶に新しいところだと思います。


その後で、続々と行方不明老人が見つかって、社会問題になりましたよね。


朝日新聞の連載では、老人というより、それよりももう少し若い世代の家族のいない独居について取り上げられていました。

離婚や死別や未婚などの理由はさまざまでしたが、やはり老後の一人(身寄りのいない)というのは辛いよねえ・・・というのが実感です。
記事を読んでいて思ったのは、親が亡くなると、兄弟って意外とつながりが脆いんだなあということ。根底には貧しさがあるようだけど、それにしても、電話一本・手紙一通のつながりまでも切れてしまうのは寂しすぎるなあ。一旦途切れると血縁関係があるほうが復活しにくいのかも。30年ぶりに友達と再会して、旧交が深まるというのはありがちなのにねえ。


あと何十年かたつと、独居世帯が家族有り世帯の数をおいぬくという試算が乗っていて、とても驚きました。

家族の絆というと、思い出すのが、アメリカ人のみならず、日本にもファンが多いテレビドラマのシリーズ「大草原の小さな家」。
頼りがいのある父と優しい母と姉と主人公と妹が中西部で家族力を合わせて生きてゆくという実話を基にして作られたドラマです。
これぞ「家族!」という家族のお手本みたいに結束が固くて愛に溢れた家庭です。
ところが、そんなお手本のような家庭ですら、一世代の後には、絆はいもと簡単に崩壊してしまいます。



うろ覚えですが、主人公のローラはその後娘を産んで、その娘は後に成長して新聞記者か何かになって、子どもは生まれませんでした(ひょっとしたら未婚だったかも・・・)
確か、姉にも妹にも子どもが無くて、あれだけ結束の強かったインガルス一家の子孫には家族が出来なかったという悲しい逸話を読んだ記憶があります。


ほんとうにひょんなことから家族が無くなっていつの間にか「孤族」になる可能性ってあるんだなあ、とつくづく思いしらされます。