妄想の白いスーツ

息子Aの大学の合格発表があった日の翌日に、この未曾有の大災害、3.11が起こりました。


今日、息子の通う大学の入学式が行われました。
入学式といっても、震災を考慮して、今年は小さなホールに、新入生の代表が式に参加し、その様子をインターネット配信するという形式でした。
残念ですが、インターネットで見ました。(代表の学生が30人ほど参加してました)
私は、実は、この入学式に出る気満々でした。
学生一人に付き、二人までの父兄の参加が許可されていて、その整理券も受け取っておりました。
夫と二人、お互い、仕事を休んで、式に出る気満々だったのです。


今となっては滑稽なことに思えますが、私は、早々と入学式に参加するときに着るスーツまで買って用意し(ちなみに、靴とコサージューも新調してしまいました・・・・)、危うく新幹線の切符まで買うところでした。
そのスーツというのが、白のワンピースと白のジャケット!
白のスーツなんて、生まれて初めて買った、私としては『超勝負服』だったのに。


重度の妄想癖のある私が、白いスーツを買うときに考えたこと・・・・
【妄想のレベル7】
白いスーツを着て、ツヤツヤの髪をふんわりとカールさせた私は、入学式の式場で、学校の関係者に「新入生」と身間違えられる。そして、
「あ、そこの学生さん、席が違いますよ、そちらは父兄席です」
と呼び止められ、
「あら、わたくし、父兄ですの」
とにっこり微笑む。

【妄想のレベル6】
白いスーツを着た私と息子が大学の校内を歩いているところを、息子Aの友達に目撃され、
「入学式の後で、いっしょに歩いていたの、お前の彼女?」
といわれる。
もちろん息子は、
「お前、目医者に言った方がよくねえか」
ぶっきらぼうに答える。


【妄想のレベル3】
白いスーツを着た私は、息子といっしょに記念撮影をしている。
すると、息子Aの友達から
「お前のネエサン?」
と聞かれ、息子Aが
「んなわけにいじゃん。おふくろだっちゅうの」
と答える。


入学式が中止となった今、あの「妄想の超勝負」の白いスーツは日の目を見ることなく、クローゼットにかかってます。