生まれつき

昨日、息子Aの中学・高校時代の友人の母たちと、三人で久しぶりのランチを楽しんできました。息子たちは卒業しても、こうして母たちが集えるのは、ありがたいことです。


二人とも息子さんは地元大学の医学部に入学したため(親孝行だよね)、入学式や、説明会などで顔を合わせておられるようです。
「高校時代とあんまり変わりばえしないわねえ」
と言っておられました。(幸せそうでした)


さて、茶話話のなかで、とてもおもしろい話題がありました。
「○○さんなんか、高校で講師しているわけだから、息子を東大生にするには、どういう教育をすべきか、父兄はさぞかし知りたがっているんじゃないの?生徒には自慢してあるの?」
「そんな図々しいこと言えるわけないじゃん。第一、母は国語を担当してるというのに、自分の息子の国語の成績があれじゃあ、とても恥ずかしくて公表できないよ。じゃあ聞くけど、息子を医大生にするのに、なにか特別なことした?」
「たしかに・・・・弁当作って、風邪ひかせないようにしただけだわ」
「そういえば、親って何もしてないよね。塾の授業料を出したくらいかな」
「でも、親の目からみたら、幼いころから、この子は賢いなあ〜と思えることがなかった?」
「あった、あった。うちなんか四つ年上の姉よりも、いろんなことを覚えるのが早かった」
「息子は、文字とか数字とか、本当にあっという間に覚えたのに、娘のほうは本当に時間が掛かったもんね」
「それよりなにより、自分が何がわかんなくて、何が苦手で、どこを間違えるのかをわかっていたよね。自分を客観視できるっていうか。」
「そうそうそう!」

山ほどの事例を挙げながら、三人が出した結論は、
『受験に成功する子どものタイプは、何べんでも復習することが出来る忍耐力があるかどうかにかかっている。何回でも同じことを繰り返せる体力があること。もう一つは、客観的に自分を見られること。』

中学で講師をしていてたときに見た限りでは、もの覚えが早い・よい、という生徒はそんなに珍しくありません。暗記の力が強い生徒は一クラスに10人くらいはいるかな?でも、稀なのは、自分がどこが出来ないのか客観的に見る能力と、出来なかったとこを繰りかえせる体力を持つ生徒。
大抵は、一度間違えたところをを一回でも復習したら、「もう出来た!」ことになっていませんか?
医大生二人と息子Aの母たち三人は、改めて、息子たちのそういう「体力」のすごさを認識して、感嘆したのでした。

そして三人とも異口同音に、
「これって、生まれつきだよね〜」(結局、私たちって、何にもしてないから・・・)
と、しみじみ語り合いました。