息子Bの弱点とは・・・

五月祭(ごがつさい)は、生憎の雨でした。特に二日目は断続的に雨が降り続いてしまい、時には雨脚が強くなることも。
そんな中でも、若者は情熱をかけて五月祭を盛り上げておりましたよ。


正門から安田講堂周辺にかけて、びっしりと屋台が並びました。
そこでは、学校祭定番の学生メニューが一皿200円前後の価格帯で売られております。
それぞれの屋台の前では、客引き係りの学生が黄色い声を張り上げて呼び込みに精を出していました。


日曜日の朝、東京に到着した夫と、私と息子A・Bは四人揃って大学にやってきました。息子Aは、いかにも自分がいないとクラスの屋台が回っていかない、くらいの意気込みで、
「おれ、いろいろと忙しいから」
と言って、さっさと私たちから離れてしまいました。
息子Bも、
「かあさん、僕も自由行動するから、2000円頂戴」
といって、現金をせしめると、さっさと私たちから離れていきました。


私と夫は二人でゆっくりと屋台のファストフードを楽しみ、公開授業に参加し、レゴの展示を見て、科学実験のブースで簡単な実験を見せてもらったり、鉄道研究会や今回の東北の地震のレポート展示を見学、三四郎池を見て、弓道場で師範の演技に息を呑み、生協でみやげ物を買い・・・と若い人たちに混じって、十分堪能できました。


約束の時間より早く、息子Bから携帯に連絡が入りました。
「僕はもう腹いっぱいだ〜。これ以上は食べられないからもうそろそろ帰りたい」
とのこと。
早い話が、息子Bは、私たちと離れて自由行動をしてから、ずっと屋台めぐりをしていたらしいのです。
息子Bが一言、ぽつりとこんなことを漏らしました。
「僕は男子校だから、普段オナゴと話をする機会がないじゃないか。だから、ついつい屋台の前でオナゴから黄色い声で『ねえ、買って〜』と言われると、どうしても断れないんだ・・・・」


そうか、息子Bよ。
お前の弱点は若いオナゴだったのか。
若いオナゴに対する免疫がない男子校の生徒には、こんな弱点があったのだ。
そういえば、息子Aも高校二年で駿台予備校に通い始めたとき、興奮して塾から戻ってたことがありました。
「かあさん!今日、女子から話しかけられた」
「エ゛っ!ほんとうに?まさか『つきあってください』とか?」
「そんなんじゃない」
「じゃあ、なんと言って話しかけられたの?」
「今日、うっかり別の人の席に腰掛けていたら、女子がやってきて『そこ、違いますけど』と、話しかけられた」
「・・・・・」


みんな、こういう経験を経て、普通の男子に育っていくのでしょう。