鳥越俊太郎さんの講演会

昨日、鳥越さんの講演会に行ってきました。
「がんになっても生き抜くために」
というようなテーマでした。


この五年間の間に、なんと四回も癌の手術を受けたそうです。
まず始めが大腸がん。次は肺、その次も反対側の肺、最後が肝臓。
癌を見つけるところからの病歴が明かされていきましたが、私が一番興味深かったのは、医者選びの話でした。


彼は、東京虎ノ門病院で、腹腔鏡の手術で大腸癌と肺の癌の手術をうけました。
この腹腔鏡の手術というのが、高い技術が必要なんだそうです。
実際の体は三次元なのに、モニターに映る映像は二次元。それを見ながらおなかに開けた小さな穴から器具を突っ込んで手術するのですから、相当な経験と技術が要るんだろうな、ということは簡単に想像がつきます。
鳥越さんは、執刀する医者に、
「先生は、これまでに何例ぐらいの腹腔鏡手術を行ってきたのですか?」
と聞いたそうです。
その先生が700例以上の手術を担当したと言われたのを聞いて、安心して手術を受けたといっておられました。
鳥越さんは、
「もしも10例以下だったら、ちょっとどうしようかと悩んじゃったかも」
なんて本音もおっしゃっていました。
「でもね、どんな名医といわれる先生でも、初めての患者というのがあるわけで・・・・。医者にとっての第一号の腹腔鏡の手術を受けた患者は勇気がありましたねえ。あっねそうか。そういう患者は、きっとそんな質問をしてなかったんでしょう。初めてです、なんて聞いたらビビッて手術しなかったかも。」


そうなんですよ。
ちょうど同じ時期に鳥越さんの従兄は九州の地方病院で大腸癌の手術を受けたけれど、亡くなってしまったそうです。
「技術の差かなあ?」
と、しみじみおっしゃってました。


私はつくづく、地獄の沙汰も金次第というのは、まさしくこんなこと(医療)なんだなあ、と思いました。
経済力のある人は「名医」にかかって命を取り留められるんでしょうね。


名医にかかれそうもない私は、せいぜい健康に留意して、病気になりにくくして備えるしかないってことですね。