真夜中の電話

昨日というか、今日というか・・・10日の午前二時半だと思ってください。
突然電話が鳴り響きました。


夜中の電話って、本当に不吉な妄想をかき立てるものですね。
受話器をとったのと同時くらいに切れてしまいました。
「もしも、火急の用事だったら携帯にも入っているはず」
と、ハンドバッグに入っている携帯電話の着信履歴をみると、何もありません・・・ということは、間違い電話か。


そう思ったとたんに再びコールの音がするではありませんか。


「もしもし?」
「・・・・」
「何か?」
「・・・(おずおずと)あのお。B君(息子Bのこと)はいますか?」
「はあ。もう寝てしまったんですが、急ぎでしたか?」
「いえ・・・・ただ、B君が今日はテスト勉強を三時までやるといっていたので、ちょっと電話してみたんですけど・・・」
「あら、ごめんね。Bは、随分前に寝てます。じゃあ、あなたはずっと勉強していたんだ〜。頑張ってね」
「こんな時間に電話してスミマセンでした」


この電話で思い出しました。
息子Aの大学入試前日の深夜、彼の携帯が急に鳴り出しました。もちろんAは寝ていましたが、飛び起きて携帯をとりました。
私も何事かと飛び起きました。
メールの送信者は、Aの同級生。なんと、クラスメイト全員に一斉メールを送信したようなのです。
文面は・・・
「明日の入試は、落ち着いて全力で頑張ろう」
みたいなエールでした。


「ちっ、まったく人騒がせな奴だ。だからあいつは『しゃしゃり』ななんだよな」
と息子A。
後で聞いたところでは、息子Aのクラスに同姓が三名いたので、それぞれにあだ名がついていたようなのです。
件の彼は、何ごとにもしゃしゃり出るタイプの子なので、あだ名が『しゃしゃり』なんだとか。
そういえば、半年前、入試前日の夜中に、
「こんなにも、あだ名と内面がピッタリ一致する人って珍しいなあ・・・」と妙に感心したことがあったよねぇ。あれから半年。
夜中の電話で、そんなことをふと思い出しながら、再びベッドに潜り込んだのでした。