放射性物質

そういえば、私が子供のころ、こんなことを聞いた覚えがあります。
「めざまし時計や腕時計の針が、暗いところでも薄緑色に輝くのは、その表面にラジウムが塗ってあるからだよ」
おまけに、私の愛読書シリーズの『少年少女SF小説』の中に、残念ながら題名を失念しましたが、その夜光塗料に塗られていたラジウムが関わっていて、四次元の世界に入り込むというような作品がありました。
以来、私の思考回路には、「ラジウム=四次元に通じる何か」という恐怖が残ってしまいました。
ほとんど「ウルトラQ」の世界ですが・・・・


今、テレビで東京世田谷のスーパーの地下に、ラジウムが埋められているというニュースを見ています。
ストロンチウムだのラジウムだのセシウムだの、素人の私にはまったくなんのことやら、どんな違いがあるのか、人体や環境への影響はどうなのか、知る由もありません。
が、少なくとも「ラジウム」という響きは他の放射性物質の名前以上に、空想的恐怖が加わって、恐怖感が倍増です。


意外と、住民は知らないだけで、新興の住宅地とか商業施設の地下には、思いも寄らない恐ろしげなモノ達が、こっそりと埋められているかもしれないなぁ・・・と思ってしまいました。
新しく土地を切り開くとき(古いものを壊すときもそうですが)、土地を削ったり掘ったり埋めたり盛ったりしますよね。
大掛かりになればなるほど、ドサクサに紛れて、その穴の中に「本来あってはならないものたち」を隠すのは簡単ですから。


有名な星新一さんのショートショート「おーい」(でしたっけ・・・・)を髣髴させる一連の放射性物質隠匿のニュースです。
※「おーい」のあらすじ
主人公が底なしの穴をみつけます、最初に「おーい」とこえをかけ、次に石ころを投げ入れますが、まったく底を感じさせない深さ。そこで主人公は、この穴を産業廃棄物捨て場として、全国の危ない産業廃棄物を一手に引き受け、一財産つくります。何十年かして、ある日主人公は穴の前で、「おーい」いう懐かしい声を聞きます。かつての自分の声でした。そのあとで、振ってきた石ころがこつんと頭に当ったというものです。こわっ・・・・