音楽界のハプスブルグ家

昨日、息子Bは、随分と身の程知らずな体験をさせてもらってきました。


ベルリンフィルの主席クラリネット奏者のオッテンザマー氏との競演に参加させていただいたのです。
なんでも、オーケストラ部の先輩のツテで、こんな「ありえない」演奏会に出させていただくことになったのでした。


そのお話をいただいたとき、私は開口一番、
「息子Bよ、荷が重過ぎるから、先輩にお断りしなさい」(きっぱり)
と忠告したのですが、楽器パートの人数が足りないという(そんなありえない)理由で、息子Bも面子に入ったのでした。


私は昨日は魔のテスト採点初日ということで、聴きにいく機会を逃してしまいました。
帰宅した息子Bは、かなり興奮気味。
「すごい。一流というものを見せつけられた。」
と、この降って湧いた貴重な体験に大満足の様子でした。


息子Bの口からでる賞賛の多くは、オッテンザマー氏の人柄・外見・家柄に関することです。
オッテンザマー氏がいかにハンサムだったか。
いかに礼儀正しかったか。
いかにマッチョだったか。
いかなる学歴を持っているか(ハーバードだそうです・・・・)
いかなるユーモアのセンスの持ち主か。
いかなる家柄か。(父・兄弟でベルリンフィルウィーンフィルの主席クラリネット奏者なんだそうです!)
いかに気さくだったか。
いかに細やかな気遣いをしてくれたか。
いかにすぐれた演奏していたか。
息子Bの小汚い楽器ケースにサインまで下さって・・・・・
等々。


「オッテンザマー家は音楽会のハプスプルク家と呼ばれているんだって〜」
そうでしょうとも。
確かに、そりゃ普通じゃないっ。


初めて、『一流』に直に接した息子B。
今回は、さすがの怖いもの知らずの息子Bも、相当に『身の程』というものを知ったようでした。


追伸。
息子Bが革靴を忘れていきました。
わざわざ(ご自分のご子息の靴を)届けて下さった、オーケストラ部のTママには、心から感謝です。ありがとうございました。