坂の上の雲

いきなりですが、これを見ている高校生って、何人くらいいると思います?
私の勤め先の高校三年生の二クラス(80人)のリサーチによると、たったの二人。80人の中の二人です。


この間、12月8日は、何の日かと言う質問に、答えられた高校生三年生は80人中、0人でした。
ついでに、終戦記念日は何月何日かという質問にも、10人以下しか正解がありませんでした。
これって、許されるの?
このまま彼らが社会人や大学生になってもいいものなのかなあ・・・・と思いました。


さんざん「坂の上の雲」の宣伝もしていますが、反響は全くありません。
・・・・というか、昭和ですら、「すんごい昔」だという彼らに、明治時代といっても、「?」の反応しか無いのは、仕方がないことなのでしょうか。


この前まで、夏目漱石の「こころ」を読んでいて、『先生の遺書』の終わりに、乃木大将が明治天皇崩御に殉死したという記述があったときにも、簡単に日露戦争と203高地の話をしたんだけど、「坂の上の雲」の乃木大将と「こころ」にでてきた乃木大将が結びついている人はいなさそうでした。
私の気持ち的には、私を含めて人文学系(はっきり言うと、地理とか歴史とか現代文学とか・・・)の教科を教えるのに、下手な授業を眠気と戦いながら受けるより、こういうドラマ仕立ての作品を見せたほうが、知識はよっぽど身に付くんじゃないかと思っているくらいです。


坂の上の雲」前半はともかくとして、日清戦争以降のエピソードを見れば、なぜ日露戦争が起きたのかとか、なぜ日本人が中国東北部を我が物顔で占拠しているのかとか、どうして高橋是清があれほど資金集めに苦慮しているのかとか、そういう事情がすべてわかります。教科書に載っているような「説明」の歴史じゃなくて、ドラマの歴史で覚えたほうが楽しいし、定着もいいと思うんだけどねぇ・・・・・


あれだけの作品を、高校のほうももっと積極的に活用して、みなに見させるべきでした。
(つまんない漢字の宿題とか、英語の練習帳とか、数学の問題集を週末課題に出すより、よほどためになるのになあ・・・・これは独り言です)